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あぁ、好きやな。正直言わへん気でいたけど、さすがにそれは無理かもしれない。言うなら今しかない。
｢じゃあ、今日はありがとうね｣
｢Aさん｣
｢うん？どうしたの、とわぽん｣
｢俺、Aさんのことが好きです｣
｢…え？｣
｢正直言わんとことは思っとったんですけど、結構前から好きやったんです｣
｢とわぽん｣
｢はい、何でしょう｣
｢私もね、好きだよ｣
｢え、あ、そうやったんですか…？｣
｢うん、じゃないとこんな毎回毎回遊んでないよ｣
Aさんは柔らかく笑ってこっちを見ていた。
何や、そうやったんや。それならもっと早く言うといたら良かった。
｢そっか、そうやったんですね。…なんか、嬉しいですね。ありがとうございます｣
｢え？いや全然、むしろこちらこそだよ｣
｢じゃあ、あの…Aさん、俺と付き合ってくれはりますか？｣
｢うん、よろしくお願いします｣
何となくお互いに恥ずかしくなって、笑ってしまった。
また誘いますね、とAさんに伝えると ありがとうと言って家の中に入っていった。
帰路に着く俺は、柄にもなく小さくガッツポーズをして帰った。
─ 俺たちの春はまだこれからだ ─
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作者名：柚稀 | 作成日時：2022年4月6日 0時
