【第五人格】消失傑作人形【男主】

〆開幕_22_〆 ページ27

〆〆





『嘘みたいな話だけど黒魔術ってほんとにあるんだよ。知ってた？僕とお伴はその黒魔術で一心同体になってたんだぁ…』



イソップ「一心同体…」



『最初はちゃんと自我があるけど一緒にいると人形にどんどん支配されてしまうようになるって言う魔術…人形が主導権を体を握る』



イソップ「抵抗は出来ないの…？」



『出来ない。したら罰があるから。僕は命令に従う…目を人形が持っているから逃げることも出来ない…完全になる前に目を取り返せば魔術は切られる』



イソップ「あの時…ああ…」



目をあの人形の中から取り返していればAくんは解放されていた。



僕が不審なあの人形を調べていれば…。



気がついていたのに…僕は……。





『ごめんね、黙っていればよかった。きみを巻き込んじゃった…』




イソップ「ごめ…ごめんなさい」



『謝らないで…あ……そろそろ夜明けだね……』



気がつけばもう空が明るくなり始めていた。



気の所為なのか少しAくんの姿が薄くなっている。



少し悲しそうな表情…。




『もう部屋に戻った方がいい……部屋にいなかったら起こしに来た人が心配するよ…』



イソップ「う、うん…じゃ、じゃあまた…」




Aくんに言わて僕は立ち上がって部屋に戻ろうとした。






『イソップくん』





イソップ「A…くん？」




『笑って…欲しいな』




イソップ「え…？こ、こう？」




そう言ってマスクを取って笑ってみせるとAくんは嬉しそうに笑った。




『ｸｽｯ…ありがとう……』







『おやすみ…イソップくん。ばいばい……またね』




イソップ「お、おやすみ…また…」





短い言葉を交わして僕は部屋から出る。






ドアを閉める時、Aくんがニコリと悲しそうに笑って手を振っていた。






自室の部屋にたどり着いたと同時にエマさんが僕のところへ焦った顔をして勢いよく走ってきた。






「イソップさん…ついて…きてなの……」




__

〆開幕_23_〆→←〆休演_イラスト紹介〆

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す