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「とりあえず怪しそうな黒い車、建物などについては調べたけど、確定的なもんが見つからんなぁ…」

あの桐山さんもお手上げ状態になりそうな程、確実と言える証拠は見つからなかった

他の刑事課も同様な状態らしい

「ただいま戻りました、照史そっちの調子どう？」

「濵ちゃんおかえり、確定っぽいのが全く見つからんかった」

「そうか…、今日警察の方とかでも怪しそうな建物を捜査したけど駄目だったって、そこで…照史ちょっと来てくれるか」

私達が聞こえない所で話し込む先輩の2人

そんな先輩の様子を、ポカーンとしながら見つめる私を含めた後輩3人

「ごめん待たせて、明日は外で捜査する組と今日みたいに中で捜査する組で分ける」

「照史とAちゃんは外、ネットに強い流星と神ちゃんは犯人の行動見ながら今日みたいにしてほしい」

「後の報告とか捜査は俺らでやるから、3人はゆっくり休んで明日からまた頑張ってほしい」

捜査が終わり、後の作業は先輩2人に任せることになって今日の仕事は終わった

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「あ、藤井君お疲れ様、今日すごく頑張ってたね」

「うんまぁ、神ちゃんに言われて無駄だったって思ったけど」

「無駄ではないと思うけどなぁ…」

帰ろうと着替えを終わって廊下へ出ると藤井君と会った

お昼に神山君に言われたことを気にしている様子

「もし神ちゃんの言う通りだとしたら、犯人はこっちの捜査を知った上で、見つけられないように犯行をしてると思う」

「え、藤井君？」

「だってこんなにも人が動いているのに全く歯が立たない感じだし、俺達の対策されてるんかなって」

"いつも何気なく接してる人が犯人だったりしてね"

ふと、のんちゃんの言葉が頭に過ぎる

お昼に神山君が話したこと、今の藤井君が話したことが合っていたら

私達の内部を知った上で見つからないように対策をして犯行しているとしたら、犯人は…

「…Aちゃん大丈夫？」

「あぁごめん、ぼっーとしてた」

「まぁ俺の言ってることも本当とは言えないけどね、…ってかあのスタイルの良い人誰」

「え、？…えっ！？」

外へ繋がるドアの向こうには、何処か見たことあるシルエット

驚いてスマホを覗くと、のんちゃんから"Aの職場へお迎え来たで"ってメッセージ

「…あれ、私の彼氏です」

「へぇ、今日仕事終わるの遅かったもんな、優しい彼氏やん行って来な」