わたし、正論も嘘も嫌いなんだぁ (ページ45)

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誰も喋らない空間が少し続いた

空気も重い

重いけど

A｢レイとノーマンめっちゃ思いっきりぶたれてたね。どう？痛かった？｣

そんなの私には関係ない

レイ｢…｣

ノーマン｢…｣

レイとノーマンは何も喋らない

つまんないの

エマ｢そんなつもりなかったんだけど……私、信じてなかったのかな……あの2人のこと｣

レイ｢まぁ対等だとは思ってないわな……けど、何言われても覚悟できてたはずだろ

全員で逃げるって時点でよ｣

エマ｢うん………でも…｣

A｢ねぇ私言ったよね？嘘は良くないって｣

何か考えてるっぽいエマに被せて私は言った

A｢エマもレイもノーマンもみんな優しいよね、ほんとに。守るために嘘つくんだもん

でもその優しさが今回は牙をむいたね｣

エマから目線をそらしてレイとノーマンの方を向く

A｢殴られた頬は痛い？それはドンの心の痛みだね、自業自得。エマも殴られれば良かったのにねぇ、あ、でも女の子だし……ビンタ？｣

なにか言いたそうな3人を無視して続ける

A｢ドン、きっと今頃泣いてるよ。弱い自分を責めて、私たちに嘘をつかせた弱い自分を責めて泣いてる

……嘘をつくべき時と、嘘を言ってはいけない時、今回は嘘を言ってはいけない時だった

信じるって、難しいよね。エマ、レイ、ノーマン｣

レイとノーマンも暗い顔してるけど、エマは本当に思い詰めたような顔してる

………ほんとに、エマらしーや

A｢とまぁ、偉そうな事言ったけど私も結果的に嘘をついたことに変わりはないから一緒に謝りに行こー

正直この状況圧倒的に私たちヤバい状況だし、めんどくさい｣

エマ｢う、うん……！｣

A｢ほら、レイもノーマンも行くよー｣

あくびをしながら言えば、レイはため息をついて、ノーマンは笑って後ろを着いてきた

・

レイ｢お前なに偉そうに語ってんだよ｣

A｢いや、事実だし。殴られたのは自業自得｣

ノーマン｢そうだね、自業自得だ｣

レイ｢コイツに言われんのが気に食わねぇ｣

A｢なんじゃそりゃ、理不尽｣