130 ページ34
桂side
愛をしっかりと示してやること、か
床にごろごろしているAの隣に行き、俺は愛をしっかりと示してやることにした
「A、好きだぞ」
「うん、知ってるよ」
「好きだぞ、愛してる」
「うん私も好きだよ」
この程度だとダメらしい
床に寝転ぶ彼女の空にふわふわ泳ぐ手を掴み引き上げる、うわ、とかそんな声が聞こえた
「A、」
「な、に?」
向かい合わせに座らせて、Aの耳に唇を寄せて彼女の苦手な低音で名前を呼ぶ
ドラマでみた吐息混じりで愛を囁く俳優を見て赤面をしていたA。
きっと現実でも弱い筈
「A、好き、愛してる、お前しか愛せない」
「……」
「可愛い、ほんとに可愛い、大好き」
「……あのさ」
突然背中に回された手は外されていて、妖刀は怪しげな色を放っていなかった
先程まで平気な顔して愛してるだの言っていたAの顔は真っ赤、口はわなわなと震えている
俺の胸を押し返しているAの手は殴る気でいる。
「わかったか?愛が伝わったか?」
「突然なにこれ、まだ3時だけど。プロレス組まないけど」
「なんで俺怒られてるのかこれ」
「好きなのなんて知ってるのに突然なによこれ。つーかこの刀何?」
「ああ、それ、マサカズのところの妖刀さ。
プロレス?」
「いいよ、ローリングサンダー決め込んであげよう」
「え、そっち?」
「……妖刀あんまり関係ねぇし、私武器変えないよ、攘夷時代に坂本からもらったプレゼントが気に入ってるから」
「……俺の苦労返してくれ」
俺は大きなため息をついた
57人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:枕崎 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/makuraz/
作成日時:2017年9月6日 6時