華燭の鏃２：rb* ページ5
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「お、雑用ありがとなぁ」
「鬱幹部、以前の戦争でロボロ幹部は怪我を負ったのですか？」
「は？何の話？？」
突然の俺の質問に目を瞬かせる彼は意味が分からないとこてんと首をかしげる。
あざといところが女人気の秘密か、我が上司よ。
「ロボロ幹部が前線から退いた理由をたずねたら、膝に矢を受けたから、と…」
「……ほーん、そうかお前膝に矢ぁ受けるって言葉の意味知らへんのかぁ。」
「え、何か意味があるんですか？」
「ふふ、ロボロもうまい事言うやんけ。せやなぁ、意味は教えたる」
愉快そうにくつくつと笑いながら鬱幹部は吸い殻の溜まった灰皿に短くなった煙草を押し付けた。
「プロポーズの為に片膝を地面につける事を、膝に矢を受ける、って言うんよ。」
……な、な、なるほど。
瞬く間に頬が上気していく感覚。
なぜかこっちが恥ずかしくなる。そうか、そういう事だったのか。
つまり、ロボロさんには、
「あ、相手はどなたで…？」
「それは自分で調べえや。アイツの部屋の前よお見とけばすーぐ分かるで」
意地の悪い笑顔を浮かべながら新しい煙草を咥えて慣れたように火をつける。
次から次へと湧き上がる厄介な好奇心に背中を蹴られて、少しロボロ幹部室のドア前に気を配ってみようと思った。
「そうですか、分かりました。ありがとうございます。…それと鬱幹部、煙草吸い過ぎです」
「あぁん、いけずな事言わんといてぇ」
煙を吐きふざけながらしっしと手を振る上司には、少し頭が痛い。
そこから数日、廊下を通るたびにロボロ幹部の部屋前を気にするようになって、すぐに分かった。
ロボロ幹部の部屋にかなり頻繁に出入りする人物。
菓子を持っていたり手ぶらだったり書類であったり手荷物はその都度様々だったが、その表情はいつも笑顔で嬉しそう。
「…Aさん、だったのかぁ…」
ぽつりと呟いた俺の声が聞こえてしまったのか、廊下の向こうでロボロ幹部の部屋へ入ろうとしていたAさんが俺に気付き、また楽しそうに微笑んでこちらに手を振った。
直後扉が開き中からロボロ幹部が顔を出す。
何か会話を交わし極自然に手をとって中へ招き入れられるAさん、その表情があまりにも幸せそうで。
俺は少しだけ、あぁロボロ幹部がうらやましいな、なんて思ったりしたのだった。
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うぃりあむ(プロフ) - シャム猫さん» シャム猫様、コメントありがとうございます！niさんは登場頻度が少なく中々創作も難しいですものね。かく言う私もキャラの掴みが自信なく不安ではありますが、今後も視野にいれて執筆していきたいと思います！ (2019年11月8日 15時) (
レス) id: 6010886135 (このIDを非表示/違反報告)
シャム猫(プロフ) - コメント失礼します。兄さんが出てきた事が嬉しいです(*^^*)もっと兄さんを出して欲しいなぁ|ω･)初対面なのにすみません(´；ω；｀) (2019年11月6日 23時) (レス) id: 0e68210922 (このIDを非表示/違反報告)
うぃりあむ(プロフ) - 神音さん» 神音様、コメありがとうございます！詐欺師さんとても可愛らしい顔で寝ていて居ても立ってもいられず書きました…！少し前の短編集に掲載したお話ですね、気に入って頂けてとても嬉しいです！是非今後も宜しくお願いします＊ (2019年9月25日 23時) (レス) id: 9df46c5a4d (このIDを非表示/違反報告)
うぃりあむ(プロフ) - 暖炉さん» 暖炉様、改めてリクエストありがとうございました！私としても最推しコンビなので完成まで時間がかかってしまい申し訳なかったです…楽しんで頂けたなら幸いです！是非今後もリクやコメなど仲良くして頂けると嬉しいです〜：） (2019年9月25日 23時) (レス) id: 9df46c5a4d (このIDを非表示/違反報告)
神音(プロフ) - チーノくんのやつこの前のしょーてんネタじゃないですか！！どれだったか分からないですけどtn人狼夢主狂人(両片思い)の話が好きでした！ (2019年9月25日 18時) (レス) id: 7f79e913ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うぃりあむ | 作成日時：2019年8月21日 1時
