Chrome Sphene２：zm* ページ40
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ふと目を開けると暗い簡易テントの中。
吹き荒ぶ夜風の音が寂しくて薄い毛布を蹴り除けてテントの外へ顔を出した。
冬の夜の匂い、呼吸すら飲み込んでしまいそうなほどに冷たい風。
「ゾム、もう起きたの？まだ交代まで30分もある、まだ寝てていいよ。」
「もうええ」
「そう？…外寒いから、ほら」
寒空の下敵を警戒すべく起きていたAはマフラーをゾムの首に巻き付け、寒さに鼻を赤くして笑う。
その笑顔を見たゾムは、心臓の内側にどくどくと血が巡るような喜びと切なさと安堵をぐちゃぐちゃにかき混ぜて煮詰めたような焦燥にも似た形容しがたい感情にぐっと息を飲んだ。
「…どうしたの」
思わずマフラーごとAを抱きしめて腕の中に閉じ込め、首筋に鼻を押し付けるようにすり寄る。
任務先の敵陣地の中ですべきではないことくらい、百も承知だ。
「懐かしい夢、見てん」
「へぇ」
「グルッペンに拾われた時の夢」
「そりゃまた懐かしい」
「あん時拾ってもらえたから俺、お前に会えてんな」
「そうだね、グルさんに感謝しなきゃね。」
Aもまたグルッペンに拾われた身だった。
鼻先が触れるほどに近付いて、吐息が交わるほどに身を寄せて、冬の夜風の冷たさも忘れるほど視線を交える。
薄らとAが微笑みを浮かべると、袖口に仕込んでいた暗器を闇へ向け鋭く放った。
闇の中から短い呻き声と地面へ何かが倒れる音。
「あと2人ってとこやな」
「そうだね。せっかくのいい雰囲気だったけど――」
Aとゾムは口角を吊り上げ、今までの雰囲気を吹き飛ばすように背中合わせでニタリと笑った。
「狩りの時間や」
弾かれたように駆け出した二匹の猟犬はいとも容易く闇夜を切り裂く。
「とっとと片付けて夜明けと同時に早く帰ろうね」
「お楽しみはそのあとやな！」
掲げたナイフの刃に映りこんだ月光は、あの人の髪色によく似ていた。
「ひとまず我らがご主人サマには感謝と忠誠を！」
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ゾムさん我々だ参入5周年おめでとうございました！(大遅刻)
あにまるぱにっく！ ：???*→←Chrome Sphene ：zm*
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うぃりあむ(プロフ) - シャム猫さん» シャム猫様、コメントありがとうございます！niさんは登場頻度が少なく中々創作も難しいですものね。かく言う私もキャラの掴みが自信なく不安ではありますが、今後も視野にいれて執筆していきたいと思います！ (2019年11月8日 15時) (
レス) id: 6010886135 (このIDを非表示/違反報告)
シャム猫(プロフ) - コメント失礼します。兄さんが出てきた事が嬉しいです(*^^*)もっと兄さんを出して欲しいなぁ|ω･)初対面なのにすみません(´；ω；｀) (2019年11月6日 23時) (レス) id: 0e68210922 (このIDを非表示/違反報告)
うぃりあむ(プロフ) - 神音さん» 神音様、コメありがとうございます！詐欺師さんとても可愛らしい顔で寝ていて居ても立ってもいられず書きました…！少し前の短編集に掲載したお話ですね、気に入って頂けてとても嬉しいです！是非今後も宜しくお願いします＊ (2019年9月25日 23時) (レス) id: 9df46c5a4d (このIDを非表示/違反報告)
うぃりあむ(プロフ) - 暖炉さん» 暖炉様、改めてリクエストありがとうございました！私としても最推しコンビなので完成まで時間がかかってしまい申し訳なかったです…楽しんで頂けたなら幸いです！是非今後もリクやコメなど仲良くして頂けると嬉しいです〜：） (2019年9月25日 23時) (レス) id: 9df46c5a4d (このIDを非表示/違反報告)
神音(プロフ) - チーノくんのやつこの前のしょーてんネタじゃないですか！！どれだったか分からないですけどtn人狼夢主狂人(両片思い)の話が好きでした！ (2019年9月25日 18時) (レス) id: 7f79e913ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うぃりあむ | 作成日時：2019年8月21日 1時
