黒曜石の瞳 ：ci* ページ17
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熟れたマンダリンオレンジ。
揺れる炎の残滓。
海に沈む西日のさざめき。
柔らかく照らす電球。
その男に抱いていた雰囲気やオーラはそういった色だったものだから。
Aは不意に自分を振り返った目の前の男の瞳を見て思わず目を瞬き、不躾に人差し指を突き付けてしまった。
「え、っと、どちら様で？」
「さすがに酷ない？」
水色の髪をふわふわと揺らしながら笑うその男の口元や声はあぁ確かにいつもの彼らしい。
特徴的過ぎるほどに特徴的な普段の瓶底眼鏡はどこかへと消え、代わりに露になった瞳は普段の目の醒めるようなフレッシュオレンジではなく黒曜石のように艶やかな漆黒だった。
「防衛隊の方まで出向にいくんですよ。助教として犯罪者たちを前に色々動かなあかんので、軍幹部やってバレへんように多少はねぇ」
「へぇ」
確かにチーノなら幹部歴も浅く顔も知れ渡っていないのでこの程度の変装でも問題ないのだろう。
特にあの眼鏡の与える印象は群を抜いている。
「……すごく違和感」
普段瓶底眼鏡に隠れて見えないその瞳は存外に鋭い。
それだけでもギャップだというのに、その慣れぬ色彩の瞳はその鋭さをさらに増し、どことなく冷酷な印象さえ与えていた。
「そんな熱烈な視線を送られちゃうと照れますね」
彼の口からこぼれる言葉は普段とさして変わらぬくだけたものなのに、その言葉の裏に何か含みがあるようにさえ思えてしまう。
「熱烈ではないけど。」
「あれっ手厳しい」
「でも、うん。黒目のチーノも凄くかっこいいと思う」
ぱちくり。今度はチーノが目を瞬く番。
その黒い瞳でAを捕らえると、喜びからかほんのりと頬を桃に染め、次いで不敵に微笑むとAの腕を引き寄せて唇に触れるだけの軽いキスを落とした。
「じゃあA先輩、この任務が終わったらこの瞳の俺ともっとイイコトしましょ？俺、それならこの仕事もっと頑張れる気がします！」
「…調子に乗るな」
拒みも否定もしないまま照れ隠しに睨みつけるAの情に揺れる瞳を覗き込んで、チーノはクククと喉の奥で笑った後上機嫌に
「じゃあ、また任務後に！」
と黒曜石を携えひらりと手を振った。
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赤と緑のリボンに笑みを ：zm&em*→←羨望の星彩２：em
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うぃりあむ(プロフ) - ちーずたわーさん» ちーずたわーさん、お優しいコメントありがとうございます、ひとまず本作が終わるまではマイペースに書くことがあると思いますのでどうぞよろしくお願いします:-) (2023年1月3日 14時) (
レス) id: 8d75ea0750 (このIDを非表示/違反報告)
ちーずたわー - お久しぶりに更新されていて綺麗な二度見してしまいましたwこのシリーズと作者様の書く文一つ一つが綺麗でとても大好きなのでこれからも息抜き大事に更新頑張ってください！ (2023年1月3日 2時) (レス) id: c69628b5a1 (このIDを非表示/違反報告)
うぃりあむ(プロフ) - 推しを推せるよどこまでもさん» 推しを推せるよどこまでもさん、嬉しいコメントありがとうございます、今後もマイペースに書くことがあると思うので何卒よろしくお願いします:-) (2022年4月2日 2時) (レス) id: 0edd80987e (このIDを非表示/違反報告)
推しを推せるよどこまでも(プロフ) - !?!?更新ありがとうございます！！！うぃりあむさんの作品どれも素晴らしいものばかりなのでとっても嬉しいです！ (2022年4月1日 17時) (レス) id: 4fbe14bf7b (このIDを非表示/違反報告)
うぃりあむ(プロフ) - 匿名さん» 匿名様、嬉しいコメントやお気にかけていただきありがとうございます！SNSは別活動に使用しておりご期待に添えない可能性が高いため掲載を控えさせて頂いております、申し訳ありません……！今後も宜しくお願い致します *。+ (2022年3月14日 2時) (レス) id: 6010886135 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うぃりあむ | 作成日時：2020年2月2日 21時
