最終話、僕の天使 ページ11
「あのさ……一つ聞いて良い？」
「なにかな？」
「付き合ったら、まず何をするのかな？ 誰かと付き合ったことないから、その辺よく分かんなくて」
「……僕にも分からない」
「そうなの？」
「意外？」
「野坂くん、その辺詳しいのかと」
「まさか。僕も誰かと付き合ったことなんてないもの。もしかして君の中で僕って、たくさんの女の子を泣かせてきた、みたいなイメージだったりする？」
そこまでは言ってない。
ただ、野坂くんはモテるから、てっきり……。
まあでも、そっか。
私が初の彼女か。
「だから僕もその辺は疎いんだよ。君が最初で最後の相手だから。だからこれからも、君と初めてをたくさん経験していくことになるね」
「言い方……」
「とりあえずは、みんなに報告かな。それはイナズマジャパン内のパーティーの時にでも」
「ほ、報告……」
「ようやく君が、他の誰でもない、僕だけのものになったんだ。ぼこぼこにされる覚悟くらいはして行かないといけないかもね」
「ぼこぼこ！？」
他の皆も簡単に割り切れるほど、中途半端に彼女を愛してたわけじゃない。
油断していたら、すぐに誰かに取られてしまう。
そんなことさせない。
Aさんが僕以外のことを考える暇もないくらい、愛を捧げる。幸せにする。
いや、幸せになるんだ。二人で。
「Aさん」
「？」
「式はどういう感じにする？ 君の要望をたくさん聞かせて欲しいな」
「段階が早すぎる」
「そうかな？ 予定はきっちり立てておくに越したことはないよ。それに、必ず来る未来のことだしね」
「まあ、既に色々考えてくれている辺り、野坂くんらしいね」
……頑張っていつも通り振る舞っているように見えるかもしれないけど、内心舞いあがってるんだよ。
君とこうして想いが通じる日が来るなんて。
これからの君との未来が、楽しみで仕方がない。
「それより、僕のことは何て呼ぶんだっけ？」
「え？」
「君もそう遠くないうちに野坂になるんだよ」
「は、はい……じゃあ」
Aさんは顔を真っ赤にしながら、まっすぐ僕を見つめた。そして、
「ゆ、悠馬くん！」
「うん。A」
ああ、本当に、僕の天使が可愛くて仕方ない。
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天使(仮)シリーズ本編完結致しました！
長らくご愛読くださった皆さま、誠にありがとうございました！
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歌姫 - 楽しく読まさせていただいています。アレスの天秤も読みたいのでパスワード教えてもらえませんか？ (7月30日 23時) (
レス) @page15 id: a1c8bee84a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅葉 | 作成日時：2023年7月27日 2時
