３ ページ3
.
とりあえずこの学校には昔懐かしのトントンがいて、そして彼がこの学園でとんでもなく崇拝されていることも分かった。
HRでの自己紹介と席替えを終え、今日はこのまま下校になるそうで、担任の先生から部活や同好会の見学を勧められた。
配られた一覧にはメジャーからマイナーまでびっしりと書かれその数の多いこと。
できれば運動部よりは文化部に入りたいんだけど、すぐに決める必要はないらしい。少しずつ見て回っていこう。
「A」
「あっ、トントンじゃ、トントンサンじゃありませんこと！お久しぶりデスわね？」
「なんやねんその喋り方」
教室で今後の計画を立てていたらいつの間にか横にトントンが立っていた。
ものすごくフレンドリーに返しそうなったが咄嗟に喋り方を変えることに成功。着地に失敗したが大した問題じゃない。
「入学式拝見したよ！誠にカッコよくあらせられた！」
「あ、ありがとう。嬉しいんやけどその喋り方どうにかならへんの。ちょっと武士入っとるやん」
「それは面目ない」
普通に喋ればええんやんと言うけど、今現在の教室における女子の数が膨大に膨れ上がってることにお気付きではないのでしょうか？
やましい間係でもないし、別にトントンと知り合いだと広まるのはいいけど、やはり学園内の差というのは意識してしまう。
ようは昔のように舐めた口開けないんだよ！
「まぁええよ、久しぶりに会って感覚掴めんのも分かるしな」
「ご配慮に痛み入ります。それでトントンサンは何のご用件で」
「せっかくやしAと一緒に帰りたいなぁって思って」
マジですかっ！なんて簡単にクラスター爆弾落としてくるんだ。私もビックリしたけど今ので教室中にいる女子が一斉にどよめいた。
「いうて10年ぶりやろ？これからのこと含めて色々話したいやん」
「そう、デス、ねっ、えー…わたし、これから部活見に行きたくて」
「ええやん。付いてくで？」
いやダメだろ。君を同伴して部活見学ってどう考えても辛いって。
「あっそうだよトントン！一緒に帰るって言っても私は寮に、」
言った瞬間トントンの目が光った気がした。
「それ、それ話したかってんなぁ。Aサンやっぱちょーっと面貸していただけませんかねぇー？」
久しぶりに会った幼馴染からヤーさんへと華麗なジョブチェンジを果たし、笑顔で凄んでくるトントンに手を握られた。
あれよあれよと荷物を奪われ、そのまま教室から強制退場させられたのだった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1079人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あまぎ(プロフ) - linkeaさん» 心に染みるコメントありがとうございます！tﾝ氏の妥協の産物ﾛﾎﾞﾋﾟｯﾋﾟですが自分で想像して可愛いと悶えたりもしました。彼には是非あざと可愛い行動をして欲しい…！こちらこそ楽しく読んで頂けるのめちゃめちゃ嬉しいです！今後ともよろしくお願いします！ (2021年2月21日 16時) (
レス) id: 975a9486c5 (このIDを非表示/違反報告)
linkea(プロフ) - 楽しく読ませてもらってます！！19話目のピッピの流れめっちゃ好きです笑 こんなにも面白い話ありがとうございます！ (2021年2月20日 12時) (レス) id: b1d2253538 (このIDを非表示/違反報告)
あまぎ(プロフ) - ゆりおとめさん» そこに触っていただけるとは！ナカーマです！自分からは好きな人に好意を持って接すれるのに好意を持った相手から好意を向けられると嬉し恥ずかしになってしまう、そんなトnさんを推したくて書いてるので反応頂けて嬉しかったですー！コメントありがとうございました！ (2020年10月2日 19時) (レス) id: 975a9486c5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりおとめ(プロフ) - 10話の「自分からは行けるけど、夢主から来られると挙動がバグるtn」にmoeました。 (2020年9月30日 22時) (レス) id: 01e13c464f (このIDを非表示/違反報告)
ゆりおとめ(プロフ) - 好きです (2020年9月30日 22時) (レス) id: 01e13c464f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あまぎ x他1人 | 作成日時：2020年1月9日 18時
