【d!】幼馴染は紳士の皮を被ったなんぞや？(ﾄ/n)

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「さっすがはひとらんセンセイ！やはり悪人を倒すには正義の鉄槌だナ！」

「すっごいカッコよかったよらんらん〜濡れたよ！」

「やめろよ照れるだろー？」


足元に転がる主犯たちを制服で縛って一息。今回グルッペンの指示で俺は人質救出と主犯格の捕縛に一役買ったわけだが、多分その役回りは俺じゃなくても出来た。それこそあの場にいた誰もがコソコソ移動し、上から峰打ちすれば良かったのに、その美味しい役回りに俺が選ばれたのはグルッペンの明らかな意図があったからに他ならない。


「これで胸を張って委員長に報告できるよ。風紀委員会の面目が保てるな」


闇オークションを追っていた風紀委員の俺が選ばれた、つまりそういうことだろ？とアイコンタクトすると満足げにグルッペンが笑う。そして、


「オークション側にこちらの情報を流していたお前の罪滅ぼしもできるもんな？」


一層濃くなった笑みが邪悪だ。ふふっと笑うオスマンもきっと共犯だったのだろう。出会ったときは花も恥じらい月も隠れるそれはそれは可憐な女子と見間違えるほど清純だったのに。いや、それは外見だけで今も昔も内面はマックロクロスケだったな。全然変わんねぇわ。


「ンー？なんのことを言ってるンだろう？ちょっと分かンないにゃあってことでエミさん。あとは頼ンます」

「はーい了解でーす！この子たちの処遇はお任せください！」


非道に走った生徒を救うのが教師としての務めですからね！なんて張り切って電話を掛け始める光景も中坊のときから変わらない。
変化があるとすれば、今回は1人の協力者、というか巻き込まれた奴がいたことだ。巻き込まれたのか巻き込んだのか、いずれにせよトントンがそばにいる以上苦労は尽きないだろうな。


「いたたたたたた！トント、ぐっ、ぇﾞえ！」


早速でかいトントンが覆いかぶさるように抱きしめて、その苦労を味わっているようだった。


「さて皆さん。もう夜も遅いです！お疲れのところ申し訳ないのですが速やかに帰宅してくださーい」

「「「はーい」」」


時刻は星が瞬く21:00。明日が土曜日で良かったなぁ。


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