#66 ページ21
出ることのできない牢屋。
すぐそこに上がれる階段はあるのに…
出させたくないみたい。
でもそれは、きっと私達に対してじゃない。
きっとこれは……
「…夏樹に、対して…」
中也がそう呟いた。
こんな分かりやすい罠に気づかず出るなんてそうそうないと思う。
角度の問題になるだろうけど、それでも開ける瞬間に気づく。
全く手のこんだ仕組みだよ
「…どう出るか…。それから、どう動くか、だよね。」
そういって前に出る。
どう動くかわからない。
動かないかもしれないし、もしかしたら開けた途端動く可能性もある。
それはここからじゃ詳しく分からない。
「…!お、おい…」
「…ここまで頑張ってくれたからね。一生に一度しかないだろう賭けだけど、それでも出なくちゃ。」
「だからって…!」
君はそういう人だよね。知ってたよ。
Aを助けてるのを見て、感じてた。
だから君はいてくれなきゃ。
「…ねぇ中也。君は何を思って、Aを助けたんだい?」
誰も助けようとしなかった。
Aのことを見捨るってことまでした。見て見ぬふりをした。
周りのおかしな空気を見て、君はどうして助けたかった?
「…そんなの、クラスメイトで、あいつに魅了されたに決まってんだろ。」
そう答えた。
君も、Aも、どこか似ている
周りを考えるより、先に行動してる。
気づいたら動いていた。
つまりそういう事だよね。
なら、私のすべきことは1つだ。
「…!!お前っ…!」
「…これからも、守ったげてね。それが君の宿命だよ。きっと。」
そういって扉を開け前に出た。
ーーー ーーー ーーー
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シオン(プロフ) - 星さん» コメントありがとうございます…!二人で頑張っていこうと思います! (2020年1月11日 21時) (レス) id: 4b59e65728 (このIDを非表示/違反報告)
星 - すっごく面白いです!頑張ってください!ブックマークしときます。 私にもこんな面白い作品が書けたらなぁ。 (2020年1月11日 19時) (レス) id: 43b5f5b23e (このIDを非表示/違反報告)
もえ(プロフ) - 紫苑さん» ありがとう!シオンと頑張って二人で続きを作るよ〜! (2020年1月8日 19時) (レス) id: 9b318e66e8 (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - 凄く続きが気になるのでがんばってください。応援してます。 (2020年1月8日 18時) (レス) id: 84cbb07a27 (このIDを非表示/違反報告)
もえ(プロフ) - ★ayaka★さん» ありがとうございます!更新はゆっくりペースですが、これからも応援よろしくお願いします! (2019年10月22日 21時) (レス) id: 9b318e66e8 (このIDを非表示/違反報告)
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