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「ゾムぅぅぅぅ！！！！」
足音よりも先に聞こえる誰かさんの聞きなれたうるさい叫び声。
その瞬間何故か俺の心の中に安堵が広がった。
コネシマのものすごい叫び声を聞いて、ペ神と顔を見合わせて苦笑いをうかべる。
「ゾム！ペ神！タンカー！持ってきた！」
すぐそこの廊下の角を曲がって姿が見えた瞬間、シャオロンがタンカーを抱えて走ってきた。
「ちょ、トントンの傷に響くやろ！」
ペ神が口元に手を当てて「しーっ」と言う素振りを見せると、急に2人はピタッととまり忍び足でこっちに来る。
「それは遅い」
ペ神の言葉で2人は「はい」といって小走りになる。
「はい、これ使お」
トントンのすぐ横にタンカーを置いて「乗せるで」とシャオロンがこっちを見る。
「え、俺、タンカー持ってきてっていうの忘れてたのに…」
ふと言ってないことに気づいて、その事を2人に伝える。
「そんなん言われんくても持ってこれるって」
とコネシマは親指を立ててくれた。
「ありがとう」
少し笑顔を浮かべて素直に礼を述べる。
「お前らしくないなぁ」
「うるさいわ。トントンが打たれたんや。礼くらい言う」
「まあ、トントンのことどーしようもなくたいせt…」
「あぁーーー！言うな！」
急いでコネシマの口を塞ぐ。
危ない。コネシマにしか言ってないことが他の奴らにも知られるところだった。
ギリギリ、2人には聞こえてない。
「えー、なんで…」
「食害するで？」
耳元で言うと、コネシマはびくっと肩を震わせて「じゃ、トントン連れてこ！」とタンカーの方に駆け寄った。
ふと、ペ神と、コネシマ、シャオロンが来てくれたことで俺の気持ちは随分落ち着いていることに気づいた。
インカムで連絡した時、不安しかなくてまともに話せなかったが、こうして3人に会って話すと
『こいつらがおるから、トントンも大丈夫』
と言う気持ちになる。
ー不思議な奴らやな…。
いつも一緒にいるはずなのにこんなことを思ったのは内緒だ。
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作者名：☆雅空☆ | 作成日時：2019年7月28日 21時
