ヘタキャラ先生パロ☆授業は踊る！！

５時間目　「人外裏表」 ページ9

５５分後――移動中。


三時間目は音楽らしく、Aはその教室を探していた。


分からないのも無理はないだろう。


皆に付いて行けば良かったものの、トイレに行ってたせいで遅れてしまった。


―――だって、トイレに行くタイミング、難しいんだよおお！


―――皆が移動教室の時に行かないといけないし･･･。


それでも一応、男子トイレでも、個室のトイレを使えると思うが。


―――男子トイレって、あんまり使いたくないもん･･･。


こんな我儘(わがまま)心があった。


『はぁ･･･今はそれどころじゃないよね･･･』


溜息をついて、適当にうろつく。


その時―――


「あっ！Aちゃーんッ！！」


背後から声がしたかと思えば･･･。


ぎゅううううう


『ひぃっ？！』


強く、強く、強く抱きしめられる。


―――この声って･･･。


『校長先生です･･･か？』


「俺のことはフェリシアーノ校長でいいのに！あ、長くなるか･･･」


自分の言葉につっこみを入れる校長に、頬が緩まる。


『――というか、なんで俺のこと「ちゃん」付けなんですか』


「んーどうしてかなぁー？」


フェリはニコニコ笑う。


無駄に。ニコニコニコニコニコニコ･･･。


ゾワリ


背筋に感じた寒気。


Aは不自然な恐怖に支配された。


―――まさか･･･。


―――いや･･･そんなはずない。絶対に。


―――気のせいだよ･･･ね？


『フェリシアーノ校長･･･』


「どうしたのー？」


『そ、その･･･』


ニコニコニコニコニコニコニコニコ･･･。


『えっと･･･』


フェリの笑顔に押しつぶされる。


声が出ない･･･。


『あ、あのっ！』「あぁっ！こんなところに居たんですか！」


･･･少女の声と、ある人の声が重なる。


二人はゆっくり声がする方に―――

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