4話 ページ7
魔法使いと吸血鬼の恋は何味?【snr】
14話にあることが水穂を拐った第一の理由となります。
ネタバレはするので見なくても大丈夫です。
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1人きりになった部屋は、水穂にとってとても静かで、寂しい場所となっていた。
「…。あー、弱くなった…私。」
涙が一つ頬をつたった。
慣れないこの場所の匂いも、何されるか分からない恐怖も。感情がぐちゃぐちゃに入り混じって、寂しさとなっていた。
水穂は落ち着くまで泣いていよう、と涙を拭った。
窓が見えてはっと顔上げる、開く。出れる。
ドレスを脱いで、コルセットも解く。
さっきまでとはいかないが薄着になって窓から抜け出した。
足の速さに自信があったが、あの人に感づかれたら引き戻されるに決まっている。
水穂は自分の出せる限りのスピードで地面を蹴って、路地裏を走った。
すると、誰かに腕を掴まれた。
ぐい、と体が後ろに引っ張られ、ちくりとした痛みが走る。
そこにいたのは中年のボロ着を着た男。
「お嬢ちゃん。ちょっと俺らに付き合ってもらおうか。」
「いやっ、離してっ!」
水穂が腕をぶんぶん振ってもその力が緩む事はなかった。悪寒が身体を駆け巡って、冷や汗がぶわり、と溢れ出る。
「(いやだ…誰か、助けて…)」
「あー、水穂みっけ。」
探したんやで、といたずらに笑う彼が突然目の前に現れる。
水穂が逃げていた吸血鬼の姿がそこにはあった。
男は困惑して坂田と水穂を交互に見つめた。
「離せ。そんな汚い手で水穂に触れんなや。」
その言葉を聞いた男はどこかへ走り去っていた。
刹那、急に身体の力が抜けて、坂田は水穂を支える。水穂を横抱きに抱きかかえて、坂田は屋敷へ帰った。
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朧月天音(プロフ) - ちょこ2(パソコン変わりました≪元ID 5ad0b4ef6a≫))さん» ありがとうございます。最近界隈が騒がしい状態でルールを守らない方が一定数いらっしゃったので更新を止めて離れておりました。今日から少しずつ出していく予定です。心配すみませんでした( ՞ 💧ᴗ ̫ ᴗ՞) (8月14日 14時) (レス) id: b60a9fb89a (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ2(パソコン変わりました≪元ID 5ad0b4ef6a≫)) - 更新が止まってます!戻ってきてください!続き楽しみにまってます!(´;ω;`) (6月21日 18時) (レス) @page37 id: c7ac99c812 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朧月 天音 | 作成日時:2021年1月14日 23時