34話 ページ37
水穂の父親は水穂から手を離し、坂田に向き合う。
「僕のそばで笑う水穂が好きです。
心の底から愛しています。
俺は上級貴族ですし、彼女の側にずっとはいられないかもしれません。
けれど必ず、俺は水穂を幸せにします。もう、涙を流す水穂を見たくありません。もし涙を流すことがあれば嬉し涙にします。
だから、水穂を僕にください。」
それは、両親への告白と同時に水穂への改めてのプロポーズ。
「…！」
じんわりと広がる胸の温もり。
口を開いたのは父親、その次に母親だった。
「…妻と私は赤の国出身だ。」
「私は国の専属魔法使いだった…。けれど、あの王に追放されたのよ。何故か？
私は1つの過ちを犯した。彼と恋に落ちたの。」
水穂の母親は父親を見た。
「獣人と結婚する。それが気に食わなかったみたいね。私は先祖代々受け継がれていた、専属魔法使いをクビにされたの。」
「いくら娘の恩人でも、それは悩むな坂田様。
人は手放してしまったが、それでもかわいい我が娘だ。私と妻を追放した男のご子息様となると…。」
「…！
ちょっとお父さん、お母さん⁈」
「今から新しい試練を合格すれば…。許しましょう。」
指を鳴らした水穂の母親。
坂田の真下に先程は無かった深い穴がぽっかりと空いた。
「なぁっ⁉︎」
「さかたっ！」
真っ逆さまに落ちていく坂田を追いかけ、手を伸ばすも追いつかない。
穴は坂田だけを吸い込み、そのまま塞がった。
「お母さん！なんてことを！」
母親を睨むと、そこには困り顔があった。
「私だってね、水穂の幸せを壊したい訳じゃないの。幸せになってほしい。でもね、お母さんは王族をまだ信頼しきれていない。」
「だって…お母さん達を追放したのは坂田じゃないでしょ…⁉︎」
「私の当時の幸せを壊した父親の子よ⁉︎
私達どころか愛しい我が子までそんな目に合わせる訳にはいかないわ。
それとも、私を倒して魔法を解いてあの方を呼び戻す？」
「っ…！」
魔法では自分の母親には敵わない。 魔法使いが対立した際、決着は生か死しかないのだ。
「大丈夫よ。あの方…水穂のことを心の底から愛しているのでしょう？なら簡単よ。試すだけだもの。」
母親はにこりと笑みを浮かべた。
続く (更新停止中)
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朧月天音(プロフ) - ちょこ２（パソコン変わりました≪元ID ５ad0b4ef6a≫））さん» ありがとうございます。最近界隈が騒がしい状態でルールを守らない方が一定数いらっしゃったので更新を止めて離れておりました。今日から少しずつ出していく予定です。心配すみませんでした( ՞ 💧ᴗ ̫ ᴗ՞) (8月14日 14時) (
レス) id: b60a9fb89a (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ２（パソコン変わりました≪元ID ５ad0b4ef6a≫）） - 更新が止まってます!戻ってきてください！続き楽しみにまってます！(´;ω;｀) (6月21日 18時) (レス) @page37 id: c7ac99c812 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朧月 天音 | 作成日時：2021年1月14日 23時
