21話 ページ24
「あ、外した。
それにしても遅かったねぇ…。吸血鬼が1番力の上がる夜を選んだとしても遅すぎるよ。」
青年がベッドの上座っているのを確認した坂田は、警戒しつつ水穂の姿を探す。
「お探しのお姫様はここだよ。さーかーたーサマ♪」
青年が退くとそこには、ベッドの上に裸でうつ伏せに横たわる水穂の姿だった。
「ハジメテ、俺が奪っちゃった♡
それなりには気持ちよかったよ?」
坂田の腹の底から、熱いものがふつふつと湧き上がるようなものが迫る。
契約を結ばれた?
「お前…!」
手を、足を出そうとした瞬間。
太腿に何かの感覚がした。
その感覚は坂田は現実に連れ戻す。
隣にいた狼が、坂田に軽く優しく頭突きしたのだ。
「…。返してもらおうか、俺の姫を。」
「へぇ、感情的になると思ってたのに。いいよ。返してあげる。」
以外とすんなりした青年の言葉に警戒を覚える。
「だって、この子…ヤってるときも、ずぅっと、
坂田、坂田、助けて、しか言わないんだもん。感じることもしないし、喘ぎもしない。」
青年が言い終わったその瞬間、水穂に槍を向けた。
「僕にとってこの子はもう用済みだ。」
「待てや‼︎」
青年が槍を水穂に振り下ろした瞬間、それは水穂にはあたらなかった。
「ゲホッ、ガッ…。お、まぇ…」
「あははっ!お前どこまでバカなの?
自分から身代わりになるなんてさぁ…」
坂田に刺さった槍は貫通していた。背中から刺った槍を青年は抜く。
坂田は彼に反応せずゆっくりと水穂を抱き上げた。
「ごめんな…水穂。」
水穂を見つめながら呟き、坂田はさっき来た道を帰っていった。
しばらくすると、紗奈が坂田に駆け寄ってくる。
「水穂いた…って、坂田?傷が…。
水穂のこと私が持つよ。」
坂田は水穂を紗奈に預けると、心のどこかで一安心したのか力が抜け、その場に倒れてしまった。
96人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
朧月天音(プロフ) - ちょこ2(パソコン変わりました≪元ID 5ad0b4ef6a≫))さん» ありがとうございます。最近界隈が騒がしい状態でルールを守らない方が一定数いらっしゃったので更新を止めて離れておりました。今日から少しずつ出していく予定です。心配すみませんでした( ՞ 💧ᴗ ̫ ᴗ՞) (8月14日 14時) (レス) id: b60a9fb89a (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ2(パソコン変わりました≪元ID 5ad0b4ef6a≫)) - 更新が止まってます!戻ってきてください!続き楽しみにまってます!(´;ω;`) (6月21日 18時) (レス) @page37 id: c7ac99c812 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:朧月 天音 | 作成日時:2021年1月14日 23時