18話 ページ21
「ここは…？」
ふかふかした何かにねかせられていて、薄暗い部屋の明るさに目がだんだん慣れていくと、誰かが目の前に立っていることに気がついた。
「…！」
「大丈夫だよ。今はまだ何もしないから。」
"今はまだ何も"？
と言うことは…後になって何をされるか分からない。
青年の口元には笑みが浮かんでいて、その意味はとても狂気的だった。
身体がすくみ、恐怖が水穂を支配する。
水穂の頭には育ての家族の顔、思い出、坂田との記憶と感情が浮かんできた。
「…や…ぁ…」
本能がこいつに近づいてはならないと叫ぶ。
触れられてはならない、会話を交わしてはならない。
水穂は息がしにくくなってきたような気がしていた。やけに大きく早く波打つ心臓、息が上がり激しくなる呼吸。
「ふふ…効く？このび・や・く♪」
苦しさ、恐怖が水穂を渦巻いた。
青年の言っている事が、水穂には正常に処理できない。
「こな、いで…！」
一歩ずつ近づく青年を拒む。
ただ口だけで止まってくれるはずもなく、青年は歩みを止めたりしなかった。
青年は水穂に手を伸ばし頬に触れる。
「契約どころか仮契約、守護魔法までされていないなんて…。馬鹿なんだなぁ、貴族達も。」
軽蔑するその言い方、触れる手が気持ち悪く、水穂はその手を払った。
青年は舌打ちを1つすると、水穂の肩を強く掴み、押し倒す。
その顔はとても恐ろしく、水穂は息をのんだ。
「はぁ…、痛い思いをしなきゃ、従順になってくれないわけ？」
その言葉で水穂は心臓がぎゅっと誰かににぎられたような気分だった。
「やだ、たすけて、さか、さかた、たすけて…」
「坂田？」
青年は水穂の着ていたものを裂いていった。
「そんな奴はもう来ないよ。あんな銃弾1発で倒れるし。弱すぎる。
…俺と本契約しよっか♪」
「さかた、さかた、こわぃ、…たすけてよぉ…」
青年にどんなことを言われようと、水穂は青年には縋らなかった。
ずっと、自分を守ってくれた彼の事ばかり、思い浮かべていた。彼がまた、ヒーローのように、助けてくれるのを心の何処かで期待していた。
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朧月天音(プロフ) - ちょこ２（パソコン変わりました≪元ID ５ad0b4ef6a≫））さん» ありがとうございます。最近界隈が騒がしい状態でルールを守らない方が一定数いらっしゃったので更新を止めて離れておりました。今日から少しずつ出していく予定です。心配すみませんでした( ՞ 💧ᴗ ̫ ᴗ՞) (8月14日 14時) (
レス) id: b60a9fb89a (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ２（パソコン変わりました≪元ID ５ad0b4ef6a≫）） - 更新が止まってます!戻ってきてください！続き楽しみにまってます！(´;ω;｀) (6月21日 18時) (レス) @page37 id: c7ac99c812 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朧月 天音 | 作成日時：2021年1月14日 23時
