11話 ページ14
"愛する人の血が飲みたい"、というのは吸血鬼の本能。
その本能のおかげで、吸血鬼の色恋沙汰で毎年死亡者が出てしまうほど。
「生きにくい本能やな…」
千羅も紗奈が目の前から居なくなれば、契約が切れていたとしても生きていくことは難しいだろう。今回、坂田がこうなってしまったのも毒のせいだけではないはず。
それを証明するように、坂田の体調や呼吸はさっきよりあからさまに安定してきていた。
水穂の血をほんの少し、点滴の人工血に混ぜただけ。
それをしただけで、体調が安定してくるのだからある意味すごい。
「坂田様…」
紗奈に許可を取り、水穂は坂田の寝ているベットに腰掛けて、何故かは分からないがぎゅ、と手を両手で握った。
坂田の顔を見るだけで胸が針に刺されたようにちくちくと痛む。
もちろん、家には戻りたい。
きっと今なら抜け出してしても追ってくるものはいないだろう。
それでも、坂田の側にいたかった。
「変だな…。」
命の恩人だから?いや違う。もしかしたら好き?いやそれも無い。
『水穂が覚えてないだけで、本当はどこかで会ったりしてるんじゃない?』
水穂の頭に紗奈の言葉がよぎった。
「記憶では…会ったのは昨日が初めて…。」
それでもどうしてこんなに彼に惹かれるのだろうか。
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朧月天音(プロフ) - ちょこ2(パソコン変わりました≪元ID 5ad0b4ef6a≫))さん» ありがとうございます。最近界隈が騒がしい状態でルールを守らない方が一定数いらっしゃったので更新を止めて離れておりました。今日から少しずつ出していく予定です。心配すみませんでした( ՞ 💧ᴗ ̫ ᴗ՞) (8月14日 14時) (レス) id: b60a9fb89a (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ2(パソコン変わりました≪元ID 5ad0b4ef6a≫)) - 更新が止まってます!戻ってきてください!続き楽しみにまってます!(´;ω;`) (6月21日 18時) (レス) @page37 id: c7ac99c812 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朧月 天音 | 作成日時:2021年1月14日 23時