10話 ページ13
水穂達が話している頃。
坂田が居る部屋には1人のトパーズのような色の瞳、髪の青年__千羅が坂田を見ていた。
「あほちゃう?人工血飲まんとさすがにあかんやろ。
その体で毒を摂取するのもあほやな…。」
「あほあほ、うっさいわ…」
ギリ、と歯を噛み締めて毒の苦痛に耐える。
貧血状態の身体に毒を与える事がどれだけ体に悪いか、坂田が1番よく分かっていた。
「こっちは坂田のこと聞いて飛んできたんやからな?
思ったより元気やん。」
千羅は皮肉たっぷりの笑顔で言い放つ。
坂田にはその言葉に瞬時に反応できる体力すら無く、睨むので精一杯だ。
「人工血の吸収が…最近…効率悪い、ねん……。
どの人間の血…飲んでも…ダメやった…。」
言葉を必死に紡ぎながら坂田は千羅に話した。
「…で?水穂の血は?」
「やっとらん…」
はぁ、と千羅はため息を一つついた。
こっちは千羅と違うんや、と言おうと思っても身体全体が鉛のように重く、言うことを聞かない。
その時、一際視界が揺れて意識がシャットアウトした。
『紗奈、緊急事態や。水穂の血を貰う事は可能?』
紗奈の頭の中に千羅の声が響く。
紗奈は最悪の事態を想像した。
「紗奈さん…?」
水穂は急に話さなくなった紗奈が気になったのか顔をのぞいた。
「(緊急事態…、まずい。なら早めに行かなくちゃ危ない…。)」
紗奈は断られることを覚悟して水穂に話しかけた。
「水穂…血を少し貰う事は可能?」
何に使うのかを大雑把に話すと水穂はゆっくり頷いた。
___________________
ログインユーザー様限定公開にさせて頂きます。
96人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
朧月天音(プロフ) - ちょこ2(パソコン変わりました≪元ID 5ad0b4ef6a≫))さん» ありがとうございます。最近界隈が騒がしい状態でルールを守らない方が一定数いらっしゃったので更新を止めて離れておりました。今日から少しずつ出していく予定です。心配すみませんでした( ՞ 💧ᴗ ̫ ᴗ՞) (8月14日 14時) (レス) id: b60a9fb89a (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ2(パソコン変わりました≪元ID 5ad0b4ef6a≫)) - 更新が止まってます!戻ってきてください!続き楽しみにまってます!(´;ω;`) (6月21日 18時) (レス) @page37 id: c7ac99c812 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:朧月 天音 | 作成日時:2021年1月14日 23時