【名探偵コナン】赤井先生と非リア充女子校生

ふれられた手と耳元 ページ11

慣れない下駄。

カラコロという音がゆっくりと響く。

２人とも決して口数が多いわけじゃないが、時々交わす他愛のない話が楽しい。

「なんで今日もニット帽なんですか？」のくだりはおもしろかった。
「トレードマーク」だって。

確かに先生がニット帽を外している所は見たことがない。
似合っててかっこいいからそのままでもいいと思う。

でもたまにはニット帽を外したとこを見たいかな〜なんて。
先生の髪型、どんな感じだろ。

赤「更科」

一人であれこれ妄想していたら呼ばれた。

頭に「？」を浮かべて見上げると、手を握られた。

か弱いものを扱うような優しい手つき。

しかもこの指の絡め方は────恋人つなぎだ。

わ…もちろん初めて。手を伝って心臓の音が聞こえてしまいそう。
赤い顔で手を見つめる。
男らしい手。
数学教師というより体育教師らしくたくましい。

赤「さっき転びかけただろう。それに下駄にも慣れていないだろうから」

主「さっきのは先生が悪いんですよー」

赤「うるさい」

珍しく反抗的な声。あたしがいたずらっぽい笑みを浮かべると仕方なさげに口元をゆるめた。

赤「とりあえずおとなしく手をつながれてろ。可愛いお嬢さんにケガをさせるわけにはいかないから」

主「おじょ…あたしをいくつだと思ってんですか？」

赤「俺とお前、どれだけ歳離れてると思ってるんだ？」

無言で睨み合い、笑い合った。

こうしているとホントに恋人みたい。


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先生とだいぶ打ち解け、花火の打ち上げが始まった頃。

主「先生。ツーショ撮りましょ！せっかく花火大会来たんですから」

赤「いいぞ。今日の記念にいいかもな」

意外とあっさりOKをもらえた。

あたしはスマホを取り出す。

赤「自撮りか。女子高生らしいな。こういう時は寄った方がいいか？」

あたしの両肩に手を置き、先生との距離が近くなる。

主「あ…はい。では」

画面をタップしようとするがうまくいかない。
連打していると先生の手が伸びてきて画面をタップし、フラッシュがたかれてシャッター音が響いた。

ふれあった手が熱い。

赤「こういう所は女子高生らしくないな？」

主「ほ…っといてください！」

耳元でささやかれた声がくすぐったい。

今夜は妙に艶が含まれている。
扇情的に感じてしまうのは辺りが暗いせい？

頬が赤いことも気にせず、先生の顔を見つめる。

────こんなにいいことばっかりあっていいのかな。

期待しても…？→←今日くらいは

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