第5話‐ほしいもの‐ ページ6
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明後日、六月十四日は、美咲の誕生日。そこで、翼とメガネとで、次の能力別授業のときにサプライズパーティーをしようと、セントラルタウンに一人買い物しに来ていたA。
「美咲の、喜ぶ物……」
何も思い付かない。いや、思い付いたのだが、それを手にいれるのは不可能だった。
優秀賞を与えられた者にだけ贈られる一週間実家に帰れる券。
三歳のころに、Aたちは
それから一度も両親の顔も見ずに育ったAたちにとって、優秀賞というものは手に入れることのできない宝物であって、それでもやはり切望するものだった。
初校長に目をつけられていたAは別として、翼や美咲、メガネはアリスの能力は優秀であったが、問題のある生徒として認定されていた。それにはある事件が関わっていた。
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【過去編】
みんなが六歳のころだった。
メガネ『しょーらいの夢?』
翼『そー、なんかある?』
A『いや特に』
美咲『あたしは洋服つくる!』
メガネ『美咲ちゃんぼーそーぞくとかにあうよ』
美咲『ぼーそぞくってなんだ?』
翼『おれはおかーさんおとーさんとくらす!』
A『へー』
学園ではちょっとした有名人だったAたちは、どこに行っても目立つので、私たちしか知らない秘密の花園を隠れ家にしていた。
綺麗な色の薔薇や見たことのないような変な虫食いマーガレット、のそのそ歩く果物の木などが植えてある綺麗な所だった。
いつものようにシートを敷いて、セントラルタウンで買ったお菓子を食べながらお喋りをしていた。
A『……?』
変な音がした。キィ、と。
その錆びた金属の音が、近付いてくる。
後ろを振り向いて辺りを見回したが、何も見当たらない。
翼『――はやく会いたいよなぁ!』
美咲『でもあたしたち、いい子にしてねーと』
その音はA以外には聴こえなかったらしい。三人は笑いながらお菓子を食べていた。
隠れ家なので、誰かに見付かったら(チクられたら)先生に怒られる。
そう思ったAはみんなに音のことを知らせようと向き直った。
A『ちょっとみんな、今、なんか音が聞こえ……』
メガネ『え?』
美咲『A危な……っ』
がこん、と何かで頭を打たれたような気がした。
それからまた、キィ、ギィイ、と金属の音が、すぐ後ろでこだましていた。
そこでAは意識を失った。
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西軍燃えてる⇔茅野サン萌えてる(プロフ) - りりかさん» グッハァアア← ありがとうございます(^∀^)更新頑張ります!! (2013年9月10日 18時) (レス) id: 3c96dd70f8 (このIDを非表示/違反報告)
りりか(プロフ) - 面白いです(●´∀`●)気に入りました(*´∀`)続き楽しみにしてますね(。・・。)がんばってください!ファイトですヾ(^v^)k (2013年9月9日 22時) (レス) id: 523d47369f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:棗野 。 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/simeyo/
作成日時:2013年9月7日 16時