第1話‐告白なんてもうしない‐ ページ2
*
春の風は通り過ぎ、もうすぐで梅雨のはじまりである。学園の中の草木も青々と茂り、元気そうな動物たちも目をぱっちりと開けて雨の降るのを待っていた。
そんなある日、セントラルタウンの入り口で、この物語の主人公、佐原Aは、ある人を待っていた。
そのある人とは――
「スマンっ、待った?」
そう、このメガネ野郎である。
「遅い」
ぽそ、と呟いてから、Aはメガネの頭を叩いた。
「謝ってるだろー」
「聞こえない」
「難聴っすか」
「……」
殺気を漂わすAに気付き、必死で謝ったが、その後のメガネの頭にはたんこぶができていた。
「で? 今日はどうしたんだ、話があるとか」
メガネが話を切り出すと、Aは自分の体がびくりと反応するのがわかった。
メガネはAを見て、反応を伺っていた。まるで純真無垢なこどものように、何も疑っちゃいない。
「あー、えっと……ここじゃ、ちょっと」
目線を泳がせて、セントラルタウンのほうへ落ち着かせた。休日なのに人は少なかった。
「店、入るぞ」
そう言ったのはメガネのほうだった。こいつも空気が読めるのかと感心したAだったが、これからのことを考えると安心はできなかった。
*
「メガネのこと、好きなんだけど」
この一言でメガネは、動きが制止し、目が点になった。
カフェの席に着いて、Aはすぐに告白した。
これ以上黙っていることは出来なかった。
黙っていることは、拒絶されることをおそれているからだと、心のどこかでわかっていた。
それが嫌だったのだ。
「……え?」
「ずっと好きだった。ごめん、困るってわかってたけど、どうしても言いたかった」
「それってどういう……」
「それぐらい察せよ!」
いつのまにか声を荒げて叫んでいた。
「あたしが冗談で、いつもじゃ行かない店入って、お前と二人きりで、こんなこと言うなんて、そんなのできないってこと、わかってんだろ……」
Aはわかっていた。自分が勝手でわがままだってことを。
メガネは口を開けて、さも驚いているという表情をした。それからすぐに、眉をさげ、困った顔をした。
メガネの
わかってた――メガネには好きな子がいたのだ――。
そりゃあ、困るよな。でも、だからって、あんな顔しなくても。
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西軍燃えてる⇔茅野サン萌えてる(プロフ) - りりかさん» グッハァアア← ありがとうございます(^∀^)更新頑張ります!! (2013年9月10日 18時) (レス) id: 3c96dd70f8 (このIDを非表示/違反報告)
りりか(プロフ) - 面白いです(●´∀`●)気に入りました(*´∀`)続き楽しみにしてますね(。・・。)がんばってください!ファイトですヾ(^v^)k (2013年9月9日 22時) (レス) id: 523d47369f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:棗野 。 x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/simeyo/
作成日時:2013年9月7日 16時