【学園アリス】殿と恋をするあの人の子供

７話 ページ9

殿side


カチッカチッ

殿「くそっ、つかねー」

やっぱ安いライターはダメだったかなーとか考えていると、背後に気配を感じた。

殿「っ誰だ？！」

背後にいたのは、真っ黒な艶のある髪に白い肌、頬はほんのりピンクで、唇は赤い。真っ黒な瞳は吸い込まれそうで、、

殿「、、人形？」

そう、まるで人形のよう。

？「や、人間だけど」

間髪入れずにツッコミ。見た目と中身のギャップが激しい。

殿「初等部生か？なんでこんなとこに、、てかみない顔だな」

？「今日から転入する市川 椿。１１歳。とりあえず私が話せること内緒にしててもらえない？」

、、え？何言ってるんだこいつ。

殿「、、え？いいけど、なんか事情でもあんのか？」

すると少し迷ったような顔をして、話始めた。

、、、


信じられないような話だった。目の前のこの少女は小さい体にこんな大きなものを背負っている。放ってはおけなかった。

殿「、、、な、んだよそれ。、、無茶はするな、できるだけ手助けしてやるから、なんかあったら俺に頼れ、いいな？」

つい、言ってしまったのだ。自分にできることなどたかが知れている。それでもそう言わずにはいられなかった。

すると泣きそうなのをぐっとこらえた少女。まだ子供なのにこんな顔して、、

殿「泣きたい時は思いっきり泣けよ！チビが我慢してどうする！」

と言って頭をわしゃわしゃっとすると、堰を切ったように泣き始めた。守ってやりたくて、ただ少女を抱きしめた。

それから自己紹介して職員室まで連れて行って、少女とは別れた。

これが俺と椿の出会いだった。天気が良かったとか、顔が好みだったとか、いろいろあるのかもしれないけど、守ってやりたい、そう強く思ったんだ。


殿side終わり

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