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夏休み最終日。 ページ30

徐々に課題が終わっていく生徒が増えていく中…



残ったのは一部の生徒。



「…英語…終わんない…英語…」



すでに諦めモードのキツネ目に




「…じんじんって人間じゃない…」




ぶつぶつと愚痴り出す心読み。




「どうしよう…自由研究終わらないよ…」




「あとはペン入れだけ、頑張ろうっ」





アンとののは1枚の広用紙にやっと本書きしだしたようだった。





「…」



ぽいっと課題を投げる蛍。



足元に落ちてきた紙を拾い上げてみると



午前中と変わらず、空白だった。



「…もう空白で出したらいいんじゃない?」



「そうするわ」




開き直った蛍はそう言ってどこから取り出したのか、作りかけのメカの作業を始めた。






少し離れた方では委員長が勉強を見ている。



「いいんちょー。この言葉の意味って何」



「えっとそれは確か―」



「うーん…これ誰が何したか全然思い出せない…」



「あ、その出来事については確か教科書の32ページに」



さすが委員長なだけあっていい先生っぷりを発揮していた。



感心していると屍になりかけた心読みにガッと掴まれる。



「…もう頭がおかしくなりそうだよー」



「…どこがわからないわけ」



「問1から問4まで全部ー」



「…問1の問題は―」



背後でギュイーンッと蛍の作業する音が聞こえてくる。




隣のキツネ目は魂が抜けかけている。




アンとののは必死に自由研究に取り掛かっている。




「千華さん!心読みの次、俺たちの方もお願いします」



「…わかった」



少し離れたところで課題を片付けていた生徒数人も死にそうな表情をしている。




全員が課題を終わらせた頃には0時を回ろうとしていた。




私と委員長は眠りかけた数人を起こして、部屋へと帰らせる。




「…優しいのね」




ずっとメカ造りに没頭していた蛍がふいにそんな言葉を投げかけてきた。




「…頼まれたからね」



「…そう」




蛍は最後におやすみ。と言って自室へと向かった。



戸締りはやっておくよ、と言う委員長の申し出を受け入れて私は部屋へと向かった。




「…長かった」




バフっとベッドに寝っ転がると雪が背中の上に乗ってくる。




「…冬休みもこうならなければいいけど…」




若干の不安をすぐに振り払い、私は眠りに就いた。





次の日の朝、デザートのプリンをいろんな子から渡されて、



私の前にある沢山のプリンを食堂に来た棗と流架が呆然と眺めていた。

挑発。→←夏休み最終日。



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設定タグ:学園アリス , 日向棗 , 臨楽   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:臨楽 | 作成日時:2020年11月6日 0時

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