となりあい【紫】 (ページ7)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:22,114 hit

▽6 ページ7

.

翌朝、玄関を出るとちょうどハマダさんも外に出ていた。

崇裕｢あ、おはようさん｣

A｢おはようございます｣

崇裕｢えっと、Aちゃん！｣

不意打ちの名前呼びと、
ほわほわとした笑顔に思わずキュンとした。

崇裕｢Aちゃんは大学？｣

A｢はい、電車で｣

崇裕｢ほんま？じゃあ駅まで一緒に行けるやん｣

断る理由もないし、むしろ話したかったから
そんなふうに言ってもらえて嬉しかった。

A｢あの、濱田さんって淳太くんのお友達ですよね？｣

崇裕｢え、そうやけど、なんで知ってんの？！｣

やっぱり。

昨日のメッセージを送った相手は、いとこの淳太くん。

｢知ってるも何も、濱ちゃんのことやろ？｣って返信が来た。

遊んでもらっていた時に｢濱ちゃんが濱ちゃんが｣ってよく話してるのを聞いていたし、写真も見せてもらったことがある。

A｢淳太くんの、いとこなんです、私｣

崇裕｢ええ！淳太のいとこ？！｣

A｢なんか、見たことあるなって、濱田さん見て思ったんです。

で、淳太くんに聞いたら、まさしくその濱ちゃんやって｣

崇裕｢わー世界って狭いな！｣

こうして濱田さんを見ていて思うのは、
淳太くんには、年相応の大人っぽさみたいなのがあるけれど、
濱田さんには、大人っぽさと少年味の両方が備わっていて、見ていて楽しい。

崇裕｢じゃあここで改めまして、Aちゃんのお隣に引っ越してきました。

淳太の友達の、濱田崇裕と申します｣

私の方を向いて、笑顔でお辞儀してくれる濱田さんを、
すごくかっこいいと思った。

.