2.時の流れ ページ3
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今日も今日とてあの場所へ。
7月の初めにロボロさんに会ってから、
夏の進み方が毎年早く感じる。
気づけばテストは終わり、夏休みに入っていた。
「おっ、今日も来たな」
「今日は手土産持ってきました」
「わざわざありがとうな〜」
「鬱さんのもあるので、3人で飲みましょ」
本殿の縁側に並んで座る。
木が生い茂ってることもあって、いつでもここは涼しい。
風が吹くと尚心地よい。
「今日は鬱さん、いらっしゃらないんですか?」
「あー、夕方に帰ってくる言うてたかな」
「…彼女さんとかと遊んでるんですかね〜」
鬱さんはこの神社の神主さんだ。
私と近所のおばあちゃんしか来てるとこを
見ない神社だから、
鬱さんはよく遊びに出かけている。
女の人と。
「おお!これは!」
「ラムネです」
「ちょうど喉乾いてたんよ〜」
んじゃ乾杯しよかと言いながら、
ロボロさんはこちらに瓶を傾ける。
私も慌てて傾けて、音を鳴らした。
たわいもない話をして、2人で過ごすこの時間が
いつまでも続けばいいのにと思う。
青い空だったはずなのに、
いつの間にオレンジ色の空になったのだろう。
蝉の声が遠くで聞こえた。
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作者名:がきんちょ | 作成日時:2023年7月27日 1時