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1.夏の訪れ ページ2
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「暑いな…」
7月に入り、天気が良く気温が高くなる日が続く。
テスト期間に入り部活は休み。
早い時間に下校で、
パタパタと下敷きで仰ぎながら校舎を出た。
普通には帰らない。
帰っても勉強しないし、
自室は外の暑さに加えて蒸してるだろう。
だから寄り道する。
っていうのは言い訳だけど、
夏だと思ったら必ず行く場所へ向かう。
「あら〜Aちゃん、こんにちわ〜」
「鬱さん、こんにちわ」
「今年も暑くなってきたねぇ〜、アイツも帰ってきてるよ」
鬱さんに指さされた方向は、
鳥居をくぐって階段の向こう側。
心なしか心臓のあたりが
キュッとなるような感覚を感じながら、
鬱さんに軽く会釈して階段を上る。
階段を上り切ると
心臓の辺りで感じた感覚を上回るように息が切れる。
呼吸を整える前に、本殿の方から声が聞こえてきた。
「久しぶりやなぁ、Aちゃん」
「…ろぼろ、さん、」
夏の訪れとともに、
彼の顔にある雑面と私の髪が優しい風に吹かれた。
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作者名:がきんちょ | 作成日時:2023年7月27日 1時