第36話 ページ38
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ポアロを出て、いつもの帰り道を歩く。
その時だった。
「ちょっと、来てもらうわよ」
路地裏から誰かが出てきた。
え?と言う声を出す前に、私は何者かに何かを嗅がされ、意識を失った。
『ほう…ど…』
***
ぱちりと目を開くと、誰かの部屋だった。
ピンクピンクしてる部屋の大きなベッドに私は寝かされていた。
『あー、あー』…よし、声は出るみたい。
いやあ、完全に油断してたね。
んー……どうしよう。別に手錠とか掛けられてる訳じゃないし、拳銃とかも大丈夫だ。
窓はあるし、あれ?何でこんなフリーなの?外出ちゃうよ?出ちゃうよ?
すたすたと歩き、窓に手を掛けた時だった。
「何処へ行こうとしているの?如月A」
部屋のドアが開き、法堂さんの声がした。
『なんの為に、私をここへ?』
あれを嗅がせた辺り、一般人のようには思えないけど一応拳銃は触れないでおく。
彼女は読めない表情で「貴方とお話がしたくてね」と笑った。
『話?』
「ええ。…貴方安室さんに近付かないでくれる?目障りなの」
『彼が近付いてくる場合は?』
「その時は無視しなさい。貴方の大切な人がどうなっても良いならね」
そう言って笑う法堂さんに、ぷつっと何かが半分切れる音がした。
『は?』と出た声はあまりにも低くて、本当に私の声なのかと思った。
『貴方なんかにどうする事もできないでしょう、そんな事したら私が黙ってませんよ』と静かにガーターベルトから拳銃を取り出し、向ける。
「それが、出来るのよね」と話す彼女は何だか黒い。
腹っていうか、全体的に。
………こっち世界の人間か…。
彼女も私に拳銃を向けてきた。そんなもの持って、撃てるの?
その時ちらりと見えた腕はなぜだかとても傷付いていて、『小さい頃の私みたい』と思ってしまった。………もう、何年前の話だか。
『帝丹で色々言われてるけれど、やっぱりこっち側なんですね』と拳銃のトリガーに人差し指を通し、くるくると回しながら笑う。
「えぇ。だから貴方の事も勿論知っているわ。あなたの所は幹部はお酒の名前をコードネームにしているみたいね」
『あれ、知ってるんですか。
では、はじめまして。パルフェタムール、これが私のコードネームです』
「では、こちらも。
初めまして、私のコードネームはシャウラ。よろしくね?」
目の前の女は不敵に笑った。
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あると(プロフ) - 犬田さん» コメントありがとうございます!わー、ありがとうございます!夢主ちゃんとジンの絡みは毎回書いてて楽しいので嬉しいです!コナンくんもちょこちょこ出せていけたらいいなと思っています!はい、頑張りたいと思います! (2019年7月5日 20時) (レス) id: ea1d837737 (このIDを非表示/違反報告)
犬田(プロフ) - 夢主ちゃんとジンの絡みが可愛い…!めっちゃ好きです。コナンくんもめっちゃ可愛いです…!!応援してます!頑張ってください! (2019年7月4日 23時) (レス) id: 4889f7f66e (このIDを非表示/違反報告)
あると(プロフ) - 沙月さん» コメントありがとうございます!ジンさん可愛すぎますよね!!おお…運良いですね…!!すごいです! (2019年7月1日 13時) (レス) id: ea1d837737 (このIDを非表示/違反報告)
沙月(プロフ) - あー、もうジンが可愛すぎです!しかもコメントをしようって思ったら、広告が名探偵コナン!運がいいのか...? (2019年7月1日 11時) (レス) id: b7d8d46a43 (このIDを非表示/違反報告)
あると(プロフ) - ルイさん» コメントありがとうございます!そうですよね、作者もジンさん最推しなので自給自足でもしようかと思ってたんです(( キェェェェェ(( (2019年6月30日 11時) (レス) id: ea1d837737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あると | 作成日時:2019年6月25日 13時