第33話 ページ35
.
何、この子。
……私の事を、怖がってるのかな。
あぁ、そういえば…。
『シェリー?』
似てるなぁ。
変な薬開発してた、コードネーム持ちの幹部に。
私がそう呼べば、あからさまに肩を弾ませる。ふうん、決まりって感じか。
シルバーブレッドはシェリーを私から守るようにして対峙してきた。
『もー、別に今なんかする気はないよ。あなた、シルバーブレッドでしょ?』
にこっと笑えば、胡散臭い笑みだとでも言うようにシルバーブレッドは腕時計を私に向けた。
「あんたは…誰だ」
あら、随分大人びてる。
流石シルバーブレッドだ、きっと頭の回転も早いんだろうなあ。
警戒するシルバーブレッドに、私は静かに手を差し出した。
『帝丹高校1年生、如月A。よろしくね?シルバーブレッド』
握手を求める私に、静かに手を出そうとしたシルバーブレッドをシェリーの手が止める。
「っだめよ!!この、この人は…!!」
『え、私のこと知ってるの?……凄いじゃんシェリー』
シェリーは私を怯えの目で見つめる。
そんなに私怖がられると、流石に傷つくなぁ。
まぁいいか、と私はそっとシルバーブレッドの耳元に近づき、『組織の幹部、【パルフェタムール】…これが私のコードネームだよ』と囁いた。
「っ…?!」
目に見えて動揺するシルバーブレッドに私はころころと笑う。楽しいなぁ。
あなたはベルモットのお気に入りだから。私がなにかする予定は今の所ない。
その時、頼んでいたショートケーキがバーボンによって運ばれてきた。
「あんまりいじめないでくださいよ」と釘を刺され、少しばかりの悪戯に楽しんでいた上機嫌な私は『はーい』とだけ返事しておいた。
『私はただ、ベルの言うシルバーブレッドが気になっただけなんだけどなあ、ジンにも言うつもりはないし』
ジン、という単語に二人の肩は跳ねる。そんなにジン怯えられてるの?かなり笑いそうなんだけど。
私が肩を落としていると、シェリーがシルバーブレッドに「パルフェタムール…組織の中心人物、核と言っても過言ではないわ。そして、パルフェタムールは………ジンの、恋人」と囁いた。
その情報に冷や汗が垂れる二人に、私ってそんな危ない人だったんだと遠目に思う。
『ねぇ、バーボン。私ってそんなに怖いの?』
そうバーボンに聞いてみるけど、バーボンは笑って頷くだけだった。
965人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あると(プロフ) - 犬田さん» コメントありがとうございます!わー、ありがとうございます!夢主ちゃんとジンの絡みは毎回書いてて楽しいので嬉しいです!コナンくんもちょこちょこ出せていけたらいいなと思っています!はい、頑張りたいと思います! (2019年7月5日 20時) (レス) id: ea1d837737 (このIDを非表示/違反報告)
犬田(プロフ) - 夢主ちゃんとジンの絡みが可愛い…!めっちゃ好きです。コナンくんもめっちゃ可愛いです…!!応援してます!頑張ってください! (2019年7月4日 23時) (レス) id: 4889f7f66e (このIDを非表示/違反報告)
あると(プロフ) - 沙月さん» コメントありがとうございます!ジンさん可愛すぎますよね!!おお…運良いですね…!!すごいです! (2019年7月1日 13時) (レス) id: ea1d837737 (このIDを非表示/違反報告)
沙月(プロフ) - あー、もうジンが可愛すぎです!しかもコメントをしようって思ったら、広告が名探偵コナン!運がいいのか...? (2019年7月1日 11時) (レス) id: b7d8d46a43 (このIDを非表示/違反報告)
あると(プロフ) - ルイさん» コメントありがとうございます!そうですよね、作者もジンさん最推しなので自給自足でもしようかと思ってたんです(( キェェェェェ(( (2019年6月30日 11時) (レス) id: ea1d837737 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あると | 作成日時:2019年6月25日 13時