第27話 ページ29
俺がそう言うと、ヒロも「そうだな!」と口角を上げた。
そうじゃないだろ。俺が言ってるのはーーーーーー「ジンより先に報告が貰えて」
「そうだーーーーーーっはぁ?!」
言葉の意味を理解したヒロは、先ほどと同じように顔を真っ赤に染めた。純情なのか…?
「べっ、別に嬉しいとか…そういう訳じゃ……でも嬉しい…けど…」
「やっぱり嬉しいんじゃないか」
しどろもどろになるヒロにそう笑えば、机に突っ伏して静かに「…嬉しい」と呟いた。うん、純情なんだな。
きっと、公安としてはいけないことなのかもしれない。…だけど、一人の男として一人の女に惚れるなら話は別だ。ずっと隣にいてくれた幼馴染の恋、俺が嬉しくないわけがない。
広角をゆるゆる上げていれば、机に突っ伏していたはずのヒロがいきなり「っこういう事するから諦められないんだよー!パルの馬鹿!!」と机に拳を叩き落した。荒ぶるな、うるさい。
「…ジンが笑顔にさせたようなもんだし…俺も、そうやって笑ってるあいつが好きなんだよな……」
なるほど、これが「恋する乙女は可愛い」ってやつか。
俺はパルフェタムールに嫌われていたから面会なんてもっぱら御免だったし、声の一つさえ聞かせてもらえなかった。…今思うと凄い俺独りぼっちだったよな。写真やメールでも見ようとすれば過激派が黙ってなかった。怖かった。
何度殺られそうになった事か。
中心人物に嫌われるって、あんなに寂しいものだったんだな。と俺はいじめられっ子のような感想を心の中で述べた。
…ん?というか、パルフェタムールだって……
「お前と一緒にいたパルフェタムールも、凄い笑ってたぞ。
その証拠がさっきあったじゃないか」
そう。凄くスコッチは好かれていた。一目散にこちらへ走ってくるくらいは。
さっきーーーーーー一番最初に連絡入れられただろう?とニタっと笑えば、ヒロは顔を赤くしながら歯を見せて笑った。
その後、ヒロは衝撃の呟きをした。
「まぁ、叶わないからな。4年間だぞ?4年間。あのジンが拾われたとき一目惚れして、それから4年間も好きで居続けた後の恋人同士なんだぞ?」
その衝撃は、思わず俺が飲んでいた酒をぶちまけるくらいには強かった。
ヒロと同じことをした。ヒロも「しっかり片付けろよ?」と何やらにやにや笑っていた。まさか、確信犯か。
965人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あると(プロフ) - 犬田さん» コメントありがとうございます!わー、ありがとうございます!夢主ちゃんとジンの絡みは毎回書いてて楽しいので嬉しいです!コナンくんもちょこちょこ出せていけたらいいなと思っています!はい、頑張りたいと思います! (2019年7月5日 20時) (レス) id: ea1d837737 (このIDを非表示/違反報告)
犬田(プロフ) - 夢主ちゃんとジンの絡みが可愛い…!めっちゃ好きです。コナンくんもめっちゃ可愛いです…!!応援してます!頑張ってください! (2019年7月4日 23時) (レス) id: 4889f7f66e (このIDを非表示/違反報告)
あると(プロフ) - 沙月さん» コメントありがとうございます!ジンさん可愛すぎますよね!!おお…運良いですね…!!すごいです! (2019年7月1日 13時) (レス) id: ea1d837737 (このIDを非表示/違反報告)
沙月(プロフ) - あー、もうジンが可愛すぎです!しかもコメントをしようって思ったら、広告が名探偵コナン!運がいいのか...? (2019年7月1日 11時) (レス) id: b7d8d46a43 (このIDを非表示/違反報告)
あると(プロフ) - ルイさん» コメントありがとうございます!そうですよね、作者もジンさん最推しなので自給自足でもしようかと思ってたんです(( キェェェェェ(( (2019年6月30日 11時) (レス) id: ea1d837737 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あると | 作成日時:2019年6月25日 13時