travel 43 ページ47
一方ベルとリオはというと、アル達二人の事を心配せず、目の前に居るパールスワルトをどう倒すかを考えていた。リオはもうすでに大剣を構えており、ベルもステッキに魔力は纏い済みらしく今か今かと機会を狙っている。
「金髪君、その膨大な魔力どこで手に入れたんだぁ？群青ちゃんはその足でも戦う気満々の、手練れ…ふはははは!!!いやぁ、セリス！お前さいっこ〜だな!!!こんなにイイ“素材”を連れてきてくれたんだ。た〜〜っぷりとお礼しないとなァ!!!」
「……ねぇ、その口――」
「さっさと閉じて、さっさと失せろ」
2人はそう言ってそれぞれが攻撃を仕掛ける。が、それを器用に魔法で防ぐ。しかし、ここでベルはステッキを伝わせて、魔力の塊をぶつけた。至近距離からの事で咄嗟に反応できず、パールスワルトは顔面にソレを喰らい、吹っ飛んで気絶。それを見たリオは大剣をしまってアル達の方を見た。すると、彼は丁度ラナを抱え、右肩に武器を据えたところだった。どうやら、どうにか魔法の効果をなくしたらしい。
「ん、大丈夫なのか？」
「ラナちゃんになんとかしてもらったり……してないみたいだね」
「ったりめぇだろ…アレなんとかするには魔力が足んねぇし、足りても相当な負担がかかるぞ」
「じゃあどうやったのさ？」
「ん？さぁ、どうやったんだろーね」
「おい、はぐらかすな！」
「アル兄、何かまほう、使ってたみたい。でも、それにしてはまだしんどそーなんだよ？」
「そりゃあ…魔法じゃねぇし。さて、と。城主とやらをぶん殴りに行きますか。きっと城主の闇を何とかするので精いっぱいだろうし、早いとここの闇を綺麗にしないとな」
「え…」
「“コイツ”に食わせりゃ、これくらいの闇なら綺麗になる。まだまだ封印具には余裕あるし、力が増したって身体のっとられるまでには全然足らないから安心できる」
「それ、闇を一回アル兄のからだ、とおすってことだよね？それ、だいじょうぶ…なの？」
「さぁ？知るかんなこと。ま、もしぶっ倒れたらそん時だな」
自分が被害をこうむることを特に厭わずそんな事を言うアルに、ベルは肩をすくめリオはため息をつき、ラナはむくれたのだった。
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作者名：ユエル＠リノリア | 作者ホームページ：
作成日時：2016年2月14日 15時
