travel end ページ48
・・・
あの後、聞いてみれば、パールスワルトはアルティアが残るなら、と一緒に村に住むことになり、リオラとアレクはコンビを組み、近くの村から依頼を受けて過ごすことになった。が、拠点はこのレディノ村だという。
フェルマはベルと一緒に姿を消したかと思えば、ひょっこりと顔を出し、アルティアたちの傍にいる方が何かと楽しそうだという理由で村に住むことになった。ベルはまだまだフェルマに教わることがある、と言っていたので、同じくだ。ちなみに、姿を消していた間は、どうやらミラージュの拠点で色々としていそう。その過程でベルも手品師ではなく、マジシャンとして認められたようだ。
結局、なんだかんだで全員がレディノ村に集まることになったのだ。もう、目的は果たされた故に、解散すると思っていたアルティアは、少し嬉しいと思った。でも、まだ自分がどうしてそう思ったのかまでは、わからなかった。
それから。あの一件以降、アルティアのポーカーフェイスはあまりみられることはなくなった。笑う時も、張り付けたような笑みはなくなったし、もうボクと言う事もなくなった。それでも、まだ自分の感情を表に出すことは苦手のようで、度々フェルマやリオラ達からああすればいい、こうすればいい、とアドバイスをもらっている。
「嘘みたいだ。なぁ、俺、こんなに幸せで、いいのかな？」
村の外れにある草原で、座りながら空を見上げて、そう問うたアルティア。
「嘘なんかじゃ、ないよ！アル兄」
「あー、こんなところにいた。探したんだよー？ほんとに」
「だから言っただろ？彼はここが好きだからここにいるって」
「ほんとだな。ったく、主役が遅いってどういうことだ」
「まぁまぁ。こーいうヤツなんだよ、コイツは。昔っからな」
「先が思い知らされるぜ」
その問いに答えたのは、ラフィナ。そして次々にベル、フェルマ、アレク、パールスワルトが集まる。そして、きょとんとしているアルティアに、ラフィナが手を引き、目隠しをされ、案内される。手を引かれるがまま、案内された場所で目隠しを取られ、見えた場所は大きなテーブルに、たくさんのごちそうが乗っている。そして、中央にケーキ。
訳の分からない様子のアルティアに告げられる。
「「「ハッピーバースデー！」」」
その言葉を聞き、一瞬固まったアルティアは、そのあとに笑顔で
「ありがとう」
と言った。その笑顔は、嘘偽りのない、笑顔だった。
〜Fin〜
終わり
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ユエル＠リノリア(プロフ) - りょーさん» コメントありがとうございます！不定期更新なのでいつ更新できるかわかりませんが、待っていてくださると嬉しいです！ (2017年10月16日 18時) (
レス) id: cfdb788b81 (このIDを非表示/違反報告)
りょー - とても面白かったです！続き待ってます！ (2017年10月15日 17時) (レス) id: b27fe6d1f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユエル＠リノリア | 作者ホームページ：
作成日時：2016年3月20日 23時
