travel 92 ページ46
・・・
アルティアが復活をしてから、彼らはパールスワルトが待つ、レディノ村に来ていた。そして、いざ村へ足を踏み入れた。すると。
アルティアたちは村人たちに囲まれた。そして、ラフィナの両親だろう2人がラフィナに抱き着いた。そしてその拍子に、トサ、と軽い音がして仮面が地面に落ちた。
「おかあ、さん…？おと、うさん…？」
「おかえり……!!!」
「すまなかったな……」
「どうやら、俺の心配は、要らん心配ってやつだったみてぇだな」
「らしいな」
なんて話をするアルティアたちも、村人たちにもみくちゃにされた。落ち着いてから話を聞けば、村の古いしきたりで、巫女は16歳になれば1人旅と決まっていたそうだ。だが、次々に戦士と言われる巫女を守るための者たちが病に倒れ、魔物の凶刃に倒れ、と急を要する事態になってしまったそう。だから、ラフィナは1人で旅をすることになったのだそう。
それも、村を飛び出したくなるような、酷い扱いをして。両親も、それで顔を見せないよう仮面をつけていたそうだ。それを聞き、アルティアが怒りをあらわにした。それもそうだろう。いくら、村のしきたりとはいえ、たった５歳の小さな子を。まだ親に甘えていていい、それが許される年齢の子を。まだ、まだ。親と離れるには早すぎる年齢の子を。たった一人で放り出したのだから。
「どんな罰でも受ける。あの子を、しきたりだと言って放りだしたのはこちらだ」
その言葉に、アルティアは言った。
「もう、独りにすんな。俺ぐらいの年齢ならまだしも。あの子はまだ、たったの５歳だぞ。あの子が幸せならそれでいい。邪なる玉はもう、浄化した。堕神カルネジアも俺ん中にいてるし、制御できてるからな。共存ってやつだ。だから、もう使命は果たされた。でいいよな？」
「あぁ……!!あぁ、その通りだ……!!約束する。もう、あの子を独りにせず、幸せにする、と。村全体で守っていく」
その村長の言葉を聞き、安心したアルティア。ほかのメンバーも矛は収めてくれたようだ。話が終わり、外に出てみると。ラフィナがアルティアに抱き着く。
「おわっと……こら、転ぶだろーが」
「アル兄。行っちゃヤダからね？絶対だよ？」
顔を上げたラフィナにそういわれ、アルティアは固まる。図星だったからだ。パールスワルトと一緒にまた各地を旅するつもりで、他のメンバーも好きにするだろうと、そう思っていたからだ。なのに。どうして、自分なんか。
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ユエル＠リノリア(プロフ) - りょーさん» コメントありがとうございます！不定期更新なのでいつ更新できるかわかりませんが、待っていてくださると嬉しいです！ (2017年10月16日 18時) (
レス) id: cfdb788b81 (このIDを非表示/違反報告)
りょー - とても面白かったです！続き待ってます！ (2017年10月15日 17時) (レス) id: b27fe6d1f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユエル＠リノリア | 作者ホームページ：
作成日時：2016年3月20日 23時
