travel 90 ページ44
「お前、その闇!!」
「大丈夫、もう負けねぇよ。ちょっくら手伝ってくる」
そういって、リオとアレクの制止を振り切ってラフィナたちの元へ近づくアルティア。だが、途中で足を止めてしまう。何事かとリオとアレクがおいけてくると。どうやら、アルティアはダメージを受けているらしい。
「おいおい、小僧。お前は人間だろーが。なんでダメージ受けてんだよ」
「ははっ、予想通りだぜ。今の俺、コイツの力を取り込んだ状態だからな。少しならともかく。半分だからな。でも、大丈夫」
アルティアは浄化を続ける３人の横を抜けていく。それに気づいた３人は驚いた顔をした。だが、魔法を止めるわけにはいかない。
「「「!?」」」
「はは、半分浄化できたなら、じゅーぶん!!」
アルティアは玉に向かって手をかざした。すると、闇がアルティアの手の中へ吸い込まれていく。浄化魔法はまだ発動中だ。なら、魔法の中心部ともいえる場所にいるのだ。堕神カルネジアの力を取り込んでいるなら。宿した状態であるなら。ダメージを受けていて、おかしくはないはずだ。それなのに、アルティアはやめない。
「やめて!!!アル兄が死んじゃう!!!!」
「っは、しなねーよ……大丈夫。だって、お前らがいるじゃねぇか」
闇を吸い切ったアルティアは、半身が黒かった。だが、全くと言っていいほど、飲まれていなかった。
「はは、助かったよ……正直、もう魔力が尽きかけていて、ね……」
「っ、はぁ、はぁ……師匠の、言う、通りだよ……」
「あるにぃ……!!」
3人は倒れそうになる。だが、倒れる前にフェルマをアレクが支え、ベルをリオが支え、ラフィナをアルティアが左手側で受け止めた。
「もう、大丈夫だ。よく、頑張ったな、ラナ」
「アル兄……」
「今は、眠ればいい」
そっと、ラフィナの頭をなでるアルティア。その安心感からか、ラフィナはそのまま眠るのだった。それを見て、リオにラフィナを預けようとする。だが、それを首を振って断る。
「お前が、守ってやれ」
「……俺、今本当に半分、堕神だぞ」
「でも、制御できてるんでしょ？その証拠に君の右目は紫だよ」
「は……」
「アル。てめぇに一番よく懐いてんだろうがよ、その嬢ちゃんは」
「君が適任だと思うねぇ。だって、その子と一番長く旅をしてきたのは、君だろう？アルティア」
口々に言われ、困るアルティア。
「じゃあ、なおさら、任せた」
そういってアルティアは困ったように、笑った。
travel 91→←travel 89 ※流血、吐血表現注意
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ユエル＠リノリア(プロフ) - りょーさん» コメントありがとうございます！不定期更新なのでいつ更新できるかわかりませんが、待っていてくださると嬉しいです！ (2017年10月16日 18時) (
レス) id: cfdb788b81 (このIDを非表示/違反報告)
りょー - とても面白かったです！続き待ってます！ (2017年10月15日 17時) (レス) id: b27fe6d1f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユエル＠リノリア | 作者ホームページ：
作成日時：2016年3月20日 23時
