travel 88 ページ42
「そうさ。この玉を浄化するにはかなりの大魔法を使わなきゃいけないからね。足りない魔力を出してあげるのさ。大丈夫、方法は私が知っている」
「いやいやいや、僕そこまで魔力ないよ！？」
「何を勘違いしているのかな？君はそんじょそこらの魔法使いよりもずっと多くの魔力を宿してるよ」
「え、だって、師匠は――」
混乱するベル。自分はそこまで、魔力はないと思っていた。だって、師匠に遠く及ばないから。
「私はそりゃ元からっていうのもあるが、これでも魔法使いだよ？――頂点には及ぶかは分からないが、そこに近いくらいの、ね」
「「「！」」」
「まぁそれはいい。ほら、お嬢ちゃん。呪文を唱えて。――“我らが2人、光ノ巫女に力を貸す者なり。我らが2人の力を巫女の術に加えん”！」
フェルマが詠唱すると、フェルマとベル、ラフィナの足元に紫の魔法陣が現れる。
「――“我は光ノ巫女なり。邪なる玉を浄化する者なり。我が力にて、玉を浄化せん”！！」
すると、ラフィナを中心として魔法が展開される。そして、黒い邪悪な雰囲気の玉を白い光が包み込む。だが。途中で大きな音が聞こえる。
ドガッ！！！
何かを殴った音だ。しかしそれでも続けなければならない。
―やっべぇ…“持ってかれそう”だ…！
アルティアはひどい頭痛の中、ひたすら抵抗していた。しかし、今にも意識が飛びそうで、既に自身の力では立ってられない。今、殴ってもらったが痛みなんて頭痛に掻き消される。
「しっかりしろ！」
2人支えられるアルティアはぐったりとしており、浅く息をしていた。ベルが手伝いに行ってからはアレクが支えに来たのだが。
「おい小僧！」
「……だ。リ、オ。剣、貸せ」
「はぁ！？何する気だ！？」
と言いつつも大剣をアルティアに手渡した。すると、アルティアはその大剣で、自身の腹を突き刺した――。
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ユエル＠リノリア(プロフ) - りょーさん» コメントありがとうございます！不定期更新なのでいつ更新できるかわかりませんが、待っていてくださると嬉しいです！ (2017年10月16日 18時) (
レス) id: cfdb788b81 (このIDを非表示/違反報告)
りょー - とても面白かったです！続き待ってます！ (2017年10月15日 17時) (レス) id: b27fe6d1f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユエル＠リノリア | 作者ホームページ：
作成日時：2016年3月20日 23時
