travel 80 ページ34
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アルティアは、ハンマーを出してからは善戦し、あと一歩のところまで追い詰めた。しかし、怪我が祟ったのだろう、あと一撃、というところで反撃を食らい、壁に激突。もう1つ、最初にできたクレーターのすぐ横に、小さくないクレーターができた。ここまでやられては、流石の彼も、気を失ったらしい。壁に後ろ半身を沈めたまま、動かない。
「アル兄!!ねぇ、おきてよ!!アル兄ぃぃ!!」
ラフィナが叫ぶも、ピクリとも動かない。そんなアルティアにトドメを刺そうと、男は近寄る。もはや万事休す――と思われた、そのときたった。
ガキンッ!
男の武器が、何かに弾かれた。突然のことで、男も何が起こったのか、理解していない。そんな中、ふわり、と人影が空から降りてきた。
「あっぶないねぇ〜……危機一髪ってとこかなぁ?」
「あぁ!?誰だてめぇ!」
「ん〜?私かい?私は――マジシャン、とでも言っておこうかな。おや、その半球…ふぅ〜ん?
「ベル兄の……ししょーさん?」
「!……その名前を、ここで聞くとはねぇ……後で聞かせてもらうよぉ?さて、キミの相手をしてあげるよ。――覚悟するんだね?」
「何言って――」
突然現れた男は、アルティアを気絶させた男を一瞬で倒してしまう。そして、倒し終わると、アルティアに近付き、彼を抱き起す。そして、軽く揺さぶった。
「キミ、起きて。起きてったら!」
「ん……ぅ?」
「アル兄!!」
「……らな?と、だれ、だ……?」
「私かい?私は、マジシャンだよ」
「あぁ、あんたが……ベル、の…」
アルティアは、ゆっくりと身体を起こすと、魔法を解いた。しかしそのすぐ後、彼の身体がぐらり、と傾く。男――マジシャンは、咄嗟に受け止め、そしてアルティアをひょい、と抱えた。その後にラフィナの事も、アルティアと同じように抱えると、その場から歩き出した。
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ユエル@リノリア(プロフ) - りょーさん» コメントありがとうございます!不定期更新なのでいつ更新できるかわかりませんが、待っていてくださると嬉しいです! (2017年10月16日 18時) (レス) id: cfdb788b81 (このIDを非表示/違反報告)
りょー - とても面白かったです!続き待ってます! (2017年10月15日 17時) (レス) id: b27fe6d1f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユエル@リノリア | 作者ホームページ:
作成日時:2016年3月20日 23時