travel 57 ページ11
「さぁて、俺も寝るかなぁ…もう疲れた」
「おい、アル…お前その右手首、動かすなってモノクルつけてた「ベルだよ」が、言ってたけど」
「あぁそうだった…ま、嬢ちゃんの隣で座って寝りゃ動かねぇから、大丈夫」
「器用だな」
「あはは…こんなところで器用とかいわれたかねーよ」
リオと軽く言い合いながらもラナの隣に堅膝を立てて座り、すぐさま寝息を立てて眠るアルティア。その寝入りの速さに思わず3人は吹きだした。
・・・
一か月後、アルティア達は5つほど街や村を回り、闇を浄化してきた。だが。今、彼らは危機的状況にあった。リオの、育て親であり剣の師匠であるアレクと対峙しているのだ。それも、フォトリアという、リオが今の旅をするときにアレクと別れた街でだ。場所は街にあるちょっとした格闘大会の会場で今は最終戦。つまり、決勝戦。そして、アレクと対峙をしているのは、もちろんリオだ。
「いやぁ、まさかこんな形で再会するなんてな」
「あたしだってこんな形で再会なんてしたくなかった」
アレクは紅髪、紅目でリオと同じく大剣を肩に据えていた。リオはアレクと違って肩ではなく普通の片手剣を構える時と同じ構え方だったが。試合自体はもう始まっているのだが、両者共一行に動かない。だが、アルティア達には分かっていた。一歩でも動けば瞬く間に勝負が決まってしまうだろうことは。わからない観客たちは「はやくしろ」だの「やる気あんのか！」と野次を飛ばしている。
「にしても、強くなったなぁ…リオ。しかも、適合者じゃなくて、“本体”を連れてくるとは…流石俺様の弟子だな」
「……言いたいことはそれだけか？」
「気が早いなぁ…そんなに潰されてぇ？まぁいいけど。んじゃまぁ、観客たちも痺れ切らしてるみたいだし？――やるか」
アレクが言ったその言葉は、前半はぶっきらぼうな、そんな印象を受ける。が、後半は…一番最後はただの戦闘狂にしか思えないセリフだった。リオは、その言葉を聞き終えるか、負えないかの所でアレクに斬りかかった。その途端、ガキィン！と金属音が鳴る。それも、甲高いものではなく少し低めの。
「おうおう、ちゃんと強くなってんじゃねぇか」
「はぁああ!!!」
アレクの言葉には答えず、気合いの声とともに相手に斬りかかるリオだった。
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ユエル＠リノリア(プロフ) - りょーさん» コメントありがとうございます！不定期更新なのでいつ更新できるかわかりませんが、待っていてくださると嬉しいです！ (2017年10月16日 18時) (
レス) id: cfdb788b81 (このIDを非表示/違反報告)
りょー - とても面白かったです！続き待ってます！ (2017年10月15日 17時) (レス) id: b27fe6d1f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユエル＠リノリア | 作者ホームページ：
作成日時：2016年3月20日 23時
