オーエンが賢者の首を絞める話 ページ1
夜、今日もいろいろあったな。作った和菓子っぽいのみんな喜んでくれてよかった。前の賢者さんがあんこっぽいものを発見しておいてくれたおかげでうまくいったなぁ、などと、一日を振り返りながら眠りに就こうとすると、突然首を絞められた感覚になった。
「う゛……」
すぐに意識が無くなりそうになり、楽になろうと目を瞑ろうとした時、赤と黄色の目の光を見た。
(オーエンだ……)
咄嗟にそう思い、オーエンのいる方に手を伸ばして、だんだんとゆっくりきつく絞められていく喉を頑張って開いて、
「オーエン！助けてください！俺を楽にしてください！」
と叫んだ。
暗闇の中のオーエンはふふふ、と楽しそうに笑って、
「なに？殺してほしいの？」
と言いながら俺の目をじっと見つめてくる。
「違います！首を絞められてて苦しいのでほどいてほしいです！」
「そうやってお願いするだけで、僕が許すと思ってるの？」
「ええ？俺、なんかしましたか？」
「べつに？」
(ええ……)
オーエンの機嫌がどうやら……悪いのかいいのかよく分からないけれど、もう意識が飛びそうだったので、ゆっくり目を閉じようとした俺の頬にオーエンの冷たい手が触れた。
「なに寝ようとしてるの？」
「だ、だって、苦しいから。」
「これから気持ちよくなるんだよ？首って、絞めると気持ちいいんでしょ？」
「そ、それは特殊なやつじゃないんですか？」
「そうなの？」
「そうですよ！ただ、首絞められただけじゃ気持ち良くないです！」
「じゃあ、何したら気持ちよくなるの？」
「そ、それは…‥‥」
オーエンがこちらをじーっと見てくる、その目は冷えていて、少し怖かった。
俺はもう逃げられないと思って、「首絞めと合わせてすると気持ちいいこと」のことを恐る恐る話した。
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作者名：teate | 作成日時：2020年12月27日 12時
