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「えっと、とりあえず…条件をこちらに纏めてあるから目を通してほしい。」

「あ、はい。分かりました。」

「それを読んで、じっくりと考えてみて。」

ディルックさんは私に書類を渡すと急いで食事を済ませ、身支度を始める。

「それじゃ、行ってきます。」

「「いってらっしゃーい!」」

「あ…いってらっしゃい、お気をつけて。」

3人で玄関でお見送りをすると爽やかな笑顔を残して出掛けていった。

ショウと朝食の後片付けをし、客間に戻って書類を読む。

3度の食事や軽食の支度、食料品や日用品の買い物、掃除に洗濯。

特に苦手な項目は無い。

労働時間は6時〜22時とあるけど、特にする事が無ければ早く終われる。

「えっ、嘘…!?」

お給料の項目を見て、あまりの高給に驚いた。

「月給手取り…48万円???」

時給じゃなくて固定給?それにボーナスまで有るの!?

これはさすがに…書き間違いだよね?多過ぎるもん。

ディルックさんが帰ってきたら確認しないと。

でも…本当にどうしようかな?皆、良い人そうだし…。

「うーん…。」

書類を手に寝転んで唸っているとノックの音が聞こえた。

「あっ、はい!」

「A、ちょっと良いか?」

ドアが少し開き、ショウが顔を覗かせる。

「ど、どうぞ。」

「買い物に一緒に行ってくれないか?」

「…買い物?」

「あ、あぁ、ディルックに頼まれた物がある。一緒に選んでほしい。それに部屋にじっとしてても退屈だろ?」

確かに…そうだけど。

「Aちゃん、ほら行くよ〜。外はいい天気だし、買い物日和!」

ショウを押し退けてタルタリヤさんは顔を出し、満面の笑み。

「あ、じゃあ…行き…ます。ちょっと着替えても良いですか?」

「うん、クローゼットの中の服は自由に「それはもう俺が言った。向こうで待ってるから。着替えられないだろ!」」

タルタリヤさんの頭を押し、勢いよくドアを閉めた。

クローゼットを開け、Tシャツにシャツを羽織り、デニムのハーフパンツを選ぶ。

少し大きいけど、お借りしてる物に対して贅沢言うとバチが当たる。

「お、可愛い〜。よく似合ってる!」

「…俺の服…デカいな。」

「これ、ショウのなの?」

「正確に言うと元ショウの服だね。子供が泊まりに来た時用に置いてるんだよ。」

「子供用…なんですか?」

入った自分にビックリしていると「可愛い。」とタルタリヤさんが微笑みかけてくる。

その隣でショウはため息をつき、私の手を強く握ってきた。

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作者名:更新遅めvoice | 作成日時:2022年7月14日 19時

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