最強の姉21 ページ22
「…今ここで誓え、今後姉さんに関わるな」
「…」
「約束を破ったのはお前だ、姉さんに会う資格もねぇよ。禪院家で1人だったお前を、心配して大切に思ってきた姉さんの気持ちも何もかも踏みにじりやがったテメェは姉さんに会う資格も権利も道理もねぇんだよ」
「…そうだな」
俺は甚爾の頬を1発思い切り殴り離れた。
本当は殺してやりたい、殴り殺してぇのにそれが出来ない。
優しい姉さんの事だ、甚爾が幸せならそれでいいと思ってるに違いない。
だから殺せない。
一緒の空間にいたくない俺は甚爾に視線を戻さずにそのままアイツに背を向けてドアへと向かう。
「Aは、知ってんのか」
「…あぁ」
「…そうか」
「てめぇらなんてさっさと死にやがれクソが」
「俺だけじゃねぇのかよ」
「姉さんを苦しませてんのはテメェらだ。何も知らねぇてめぇの嫁も子供も姉さんを苦しめてる、そんな存在要らねぇんだよ」
「相変わらずお前はA中心だな」
「…ひとつ聞く、なんで姉さんを裏切った」
足を止め振り返らずに甚爾に唯一の疑問を聞いた。
あいつだって姉さんの事結構大切にしてた、それはよく覚えてる。
だから俺も性格がクズでも必ずこいつは姉さんに会いに来るって思ってたんだ。
「…あれから俺はボロボロになったんだよ、それを支えたのがアイツだった」
「なら姉さんの所に行けよ!!姉さんならテメェが苦しんでる所見たらすぐに助けるだろうが!」
「…1度だけ、お前らを見かけた。お前の隣を歩くAを見た瞬間、今すぐあいつに会ってボロボロになった俺を支えて欲しいって思ったんだよ」
「なら!」
「だけどな、真っ白なあいつを見たら俺が汚れてるって痛感して、無理だったんだよ。俺はクズだ、体も心も何もかも汚れてる。綺麗なお前らとは居られねぇんだよ」
「なんだよそれ、そんな理由で姉さんを裏切ったのか」
「それに、あいつには時間がねぇんだよ」
「どういう意味だ」
「さぁな、」
「クズ野郎が」
これ以上話すことは無い。
俺は足をもう一度動かし次は二度と止まらず部屋から出ていった。
なんて言えばいい、姉さんに。
俺がどうしたって姉さんが幸せに笑うのはあいつが居ねぇと無理なのに。
あいつは姉さんの全てを壊した。
あぁ、くそ…もっと殴ればよかった。
(おかえり)
(…風呂、入ろうぜ)
(私も悟の頭洗いたいな)
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兎羅-トラ-(プロフ) - オタクさん» ありがとうございます(^ω^)甚爾のラブラブランデブーしたいがために作った作品なので、甚爾再登場までお待ちを!! (2021年3月14日 14時) (レス) id: 069fc92e8a (このIDを非表示/違反報告)
オタク - えっ好きなんですけど!!!なんでこんな神作品作れるのです?!好きです。結婚しますk(((\(^▽^@ (2021年3月10日 22時) (レス) id: 069b2b7513 (このIDを非表示/違反報告)
兎羅-トラ-(プロフ) - 甘蜜蜜華(精神安定剤())さん» ありがとうございます!更新頑張って行きますので、よろしくお願いします! (2021年3月9日 8時) (レス) id: 069fc92e8a (このIDを非表示/違反報告)
甘蜜蜜華(精神安定剤())(プロフ) - ハッ!?好きです!!!!!!更新頑張ってください! (2021年3月8日 17時) (レス) id: 80388bac17 (このIDを非表示/違反報告)
夜霧(プロフ) - ましゅふわさん» ありがとうございます(´∀`)頑張って更新していきますので、よろしくお願いします! (2021年3月3日 8時) (レス) id: 069fc92e8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yagiri | 作成日時:2021年2月27日 12時