彼の嫌うもの ページ11
『え？病気？』
「はい」
『個性のことを、ですか？』
「オーバーホールは個性のことを病気と思い、その病気を無くすのが彼の野望ですね」
『…そう、なんですか…』
いつものお昼ご飯の時、クロノから聞かされた内容にどう答えたらいいのか分からなかった。
彼は個性を病気と言い毛嫌いしている。
個性を無くすには壊理という子供の個性を使うらしい。
『…最近、オーバーホールさんが忙しそうなのはそれを進めているからですか？』
「はい」
『……個性を嫌っているんですね』
「まぁ、過去に色々ありやしたからね」
『……』
「どうしやした？」
『ぁ…えと…少し、悲しいな、と…』
「悲しい？」
『私たちが出会えたのは、私が羊の姿になっていたから、ですよね。人間の私ならきっと彼は見向きもしなかった…』
「…」
『その…あの人と…皆さんと出会えたのは私が羊になれる個性があったおかげ…だと思っていたので…』
少し寂しそうにそう呟く彼女にクロノは何も言えなかった。
オーバーホールが考えている作戦も未来も自分たちは理想だと思っていた。
けれど、彼女のその言葉に少しだけ個性が無くなるのが寂しいと感じてしまったのだ。
そしてならず者の自分たちと出会えたことが個性のおかげだと嬉しそうに話す彼女に胸のあたりが暖かくなったのを感じた。
「…その話を…オーバーホールに話してやってくれやせんか？」
『え？』
「……俺も…Aに出会えたから、こうやって平凡な時間を過して、いられる。個性が嫌いなわけじゃない、けれどオーバーホールの中に住みついている負の感情はそう簡単には除去出来やせん」
『私なんか…』
「Aが来てからあの人は変わりやしたよ。アンタの前でだけ笑うようになった、それは本当に嬉しいことです。世界全てを憎んでしまっているアイツを…救ってくれ」
最後のはいつもの口調ではなく、治崎の親友である玄野としての言葉だった。
マスクをしていないから見える彼の真剣な眼差しにAは頷くしかできなかった。
けれど、本当に自分の言葉で彼が少しでも楽になるのなら、とAは意を決して彼に話すことにした。
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マリイ - 治崎廻大好き (2022年3月20日 7時) (携帯から) (
レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)
神田(プロフ) - めっちゃ好きです。気に入りました。今は更新停止中なんですね…無理はしないでくださいっ！（続きが気になるっ！） (2019年12月7日 17時) (レス) id: 49fc6c91b4 (このIDを非表示/違反報告)
まう (元ヒロアカ好き)(プロフ) - 好きです(´；ω；｀)更新頑張ってくださいお願いします← 続きが楽しみすぎて夜しか寝れないです (2019年4月24日 6時) (レス) id: 36ed8bcda8 (このIDを非表示/違反報告)
朝顔 - オーバーホールさん・・！もう、ヤバイ・・！ (2018年8月23日 17時) (レス) id: 43c78709a1 (このIDを非表示/違反報告)
甘党狼 - 治崎さんかっこよすぎる…っっ (2018年7月31日 8時) (レス) id: 2d330a8405 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yagiri | 作成日時：2018年7月12日 16時
