仕事ですもんね ページ23
機嫌がすこぶる悪い。
ある任務を首領に言われ、その内容を見れば少し返答に困った。
組織の為とはいえ正直これは彼女であるAを裏切る行為になるのではないか。
「Aちゃんが居るからやりづらいとは思うけど、三日間、君の家で過ごしてくれたらそれでいい。夜の相手はまぁ…空気を読んで」
「首領…ですが…」
「今回の内容は私からの命令だと言えば彼女も頷くしかないだろうね。何か言われたら私のせいにしなさい」
「…わかりました」
「すまないね」
今回の任務内容、それはある組織の首領の娘の相手。
その娘は俺に気があるみたいで、結婚までは行かないが相手をしてほしいそうだ。
首領も最初は恋人がいるからと断ってくれていたようだが、それでも折れない彼女に正直疲れたそうだ。
まぁ確かに、しつこ過ぎると疲れるが、それでなんで3日もなんだよ。
1日でいいだろ別に、と心の中で毒づく。
そして今回の任務内容をAに伝えれば物凄く機嫌が悪くなった。
『……任務ですもんね…』
「あぁ」
『最悪…エッチ…するんですよね』
「……確率はある」
『………私にそれを言ってどうして欲しかったんですか』
「…」
『私が嫌だって言ったって、森さんからの命令なら中也さんは断れない。もうこれは決定事項じゃないですか』
「それでも、先に伝えておこうと、だな」
『…ここに来るなら私は三日間出ていきます』
「な、おい」
『中也さんと他の女がベタベタしてる所を黙って見てろって？私はできた女じゃないんです。少しでもそれが目に入ったら私は相手の女を殺しちゃいます』
俯きながら悲しそうに言うAに俺は心臓が痛かった。
これは任務でAが嫌だと言ったところで無しにはならない。
最低だと言ってくれた方がまだマシだった。
仕事の方を優先するのかと怒鳴って欲しかった。
だがAは俺の立場を理解し、組織の利益についても理解して何も言わず、ただ三日間出ていくとそう言っただけだった。
俺はこうやって彼女の性格を利用している。
理解力が高いからこそ頭の回転が早いからこそ、本音を言えない彼女の性格を利用して彼女をいつも傷つけている。
分かっているんだ、甘えているのだと。
それでもこれが俺の仕事で俺が決めたことだ。
曲げることはできない。
それでも…それでもこうやって悲しそうに自分の心を殺そうとするこいつを見ると決心が揺らぐ。
「A…」
『…ごめんなさい…』
そう言ってAはその日の夜に家を出て行った。
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桜庭暁(プロフ) - まさかの給料三ヶ月分で笑っちゃいましたwこのお話好きです！ (2018年6月27日 17時) (
レス) id: ab5fb01835 (このIDを非表示/違反報告)
双葉亭 - 太宰さん面白くて好きです！ 更新頑張ってもらえたら嬉しいです。 応援してます。 (2018年5月25日 20時) (レス) id: 4feb0da943 (このIDを非表示/違反報告)
yagiri(プロフ) - はらさん» コメントありがとうございます！！外すのを忘れていました！！ありがとうございます！ (2018年5月23日 8時) (レス) id: f9a4450aaf (このIDを非表示/違反報告)
はら - オリジナルフラグをちゃんと外して下さい。違反行為なので更新前にちゃんと確認して下さい (2018年5月23日 6時) (レス) id: d628b1ec4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yagiri | 作成日時：2018年5月23日 6時
