[46.一緒に守る。] ページ46
続きを話そうにも躊躇うAにリクオは何やら感じたようで、先程よりも真剣な眼差しで問う。
リ｢まさかその合宿…なにかあるの？｣
『それが…………。
女子テニス部は今日お休みだったらしく、男子テニス部で見学していました。顧問の先生がスミレおば様で…知り合い別荘を持っている方がいて、場所が…………捩眼山だと…。』
リ｢ね、捩眼山だって！？
週末のゴールデンウィーク、清継くんたちが行く場所じゃないか！！｣
『スミレおば様は、知り合いの孫の変わった趣味で別荘が染まっているようなことをおっしゃっていました。……間違いなく、合宿所として使う場所も、清継さんがおっしゃっていた別荘かと…』
リ｢もし本当に妖怪が出たら…守り切れる人数じゃないだろ…どうすれば…｣
昨日、屋敷へやってきた清継たち清十時団が計画していた、ゴールデンウィークに捩眼山へ行く話…そこに加えて青学のテニス部男女合同で合宿を行うとなると、それなりに人数も増えてしまう。
…本当に人を襲う妖怪がいたらーーーーー
そう考えたリクオは頭を抱える。
だが、寄り添いリクオの手に自分の手をそっと重ねたAは優しい声で話す。
『若様…。私は氷麗様方のように、私も若様や人を守りたいと思っております。
…貴方様だけではありません。この私めもおります。【人を守る】のであれば、どうか私も貴方様と一緒に守らせてください。
いえ…私が皆様を必ず守りします。』
リ｢A…｣
『いつしか若様言ってくださいました。私はひとりじゃないと…。
若様、貴方様もひとりではありませんよ』
そう言って微笑むA。リクオは少し気持ちが軽くなったのか、柔らかな表情で頷く。
リ｢ありがとう。うん、一緒に守ろう！
そしてボクも…君のことは絶対に守るからね！｣
そうして、ゴールデンウィークに備えて準備を進めていく2人だった。
ことの成り行きを見ていた一人の男は、ただ静かに計画を進めるためにぬらりひょんの元へ行く。
ぬ｢ん？なんじゃい牛鬼、どうした？｣
牛｢少し山に戻ります。その事を伝えに｣
ぬ｢おお、そうかい、鯉伴にゃワシから伝えとく。また戻ってくるんじゃぞ。｣
一礼してその場を後にする牛鬼は本拠地の山へと向かった…。
牛鬼が拠点を置いている、捩眼山へーーーーーーーーー
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作者名：ぽるるん | 作成日時：2021年7月11日 1時
