Episode 1 ページ2
もう足が痛い。一体どれくらい走り続けたのだろうか…私は逃げている。ポートマフィアという組織に狙われており、其奴らは私を武装探偵社から奪還しようとしている。異能力を使おうにしても発動させるほどの体力はもう余り無い。発動した後倒れるのもごめんだ。まだ居場所が明確に出せてないのか探偵社のみんなは私の元へ誰1人来ていない。携帯ももう充電は無かった。
「な…んで…こんな…こ…と…に……!!」
息を切らしながらもそう独り言を呟く。もう逃げる気にもなれなくなり、路地裏の壁にもたれかかった。連れ去られてしまうという恐怖がありながらも私の体は休み続けた。
「くそっ…」
自分がこんなはしたない言葉を使うのは嫌になるが今はそんな気持ちだった。安易に日本に神奈川に横浜に移転なんてしなきゃよかった…なんて馬鹿げた事を悔しながらも思った。もう少しで私は異能力者、推理女性作家の人生は幕を閉じ始まるのかもしれない…そう思った矢先に突如あの声が聞こえた。
「ふっ…中入りなんぞする余裕があるのか。意に違わず、僕からは雲隠れする事は出来る訳がない」
その声の主は…
「…あ、芥川…」
芥川龍之介…武装探偵社からは要注意人物として置かれていたものだ。太宰さんから心中を言い寄られた後、ある写真を見せながら この人物には要注意だ と言われた。ずっとその特徴は忘れなかった。病弱そうな白い肌にそれと真反対な今にも吸い込みそうな真っ黒な髪に白い毛が混じったあの髪の毛。
そして最も注意すべき異能力は背後から出てくる黒い化け物。
「此処で降参してもらう」
『羅生門』
と能力名を空気に木霊させ、その声と共にあの化け物が出てくる。その瞬間圧倒的な速さでこちらに向かってくる化け物達を目の前に、私はどこかに眩んでしまった。
何かはわからない。だが、何か…白い光、神々しい綺麗な光に襲われた気がした。
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水無月 - すみません。アガサ・クリスティは名前のみ実装されてましたね!今知った…(かも?)まさか能力が同じになるなんて…まぁ、有名だから当たり前、か( ̄▽ ̄;) (2017年5月23日 19時) (レス) id: 5fa5ba9563 (このIDを非表示/違反報告)
水無月 - お気に入りされてる(>_<)うっれしい! (2017年5月21日 11時) (レス) id: 5fa5ba9563 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水無月 | 作成日時:2017年5月15日 20時