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トラブル ページ1

たとえば、目の前に泣いている子供がいるとする。それが例え生者であろうとも、罪を犯してしまった亡者であったとしても、慰められなければ、この両腕は斬り落としてしまってもいい、そうAは思っていた。

だから、つい、この有る両腕で、小さい子供である亡者を抱きしめ、慰めた。わかりやすく言えば、そう、つまり。

油断したのだ。

気づいた時には既に遅し、体は乗っ取られ、亡者に取り憑かれた。

「……ということで、普通の獄卒の姿で暴れられても困るから無害である子供の依代に急遽移し替えた。」

閻魔庁外部機関特務室の管理長である肋角は、煙管を咥え、紫色の煙を吐き出した。その片腕には亡者に取り憑かれた、新米獄卒乙女のAの姿があった。

といっても、先程の肋角の言う通り、無害である子供の依代に移し替えたため、ほかの獄卒同様の年代だったAの面影はない。

集められた閻魔庁外部機関特務室の獄卒達は肋角に抱えられたAを見やり、口々に思いを告げる。

「油断しおって…」

紫の獄卒は眉間のシワを更に深くさせ、怒りを顕にした。

「わー、すごい。懐かしいなぁ…」

おっとりとした青緑の獄卒は、そう言って微笑む。

「亡者に取り憑かれるとかA、マヌケじゃん!」

元気な黄色の獄卒は、Aを指さして笑い転げ、

「テメェにマヌケ呼ばわれされたって知ったら戻ってきた時アイツに殺されるかもな」

ダルそうな橙の獄卒は吐き捨てた。

「無理矢理引きずり出すわけには行かないんですか?」

真面目な青の獄卒は、提案をするが、

「そんな事したら亡者の魂とかAの魂にも支障がきたすかもしれない。呪符系とかだったら、引きずり出した相手が呪われちゃうよ」

優等生の水色にやんわりと否定される。

「……それで、だ。谷裂、木舌、平腹、田噛、斬島、佐疫。お前達に言っておくことがある。」

一同、肋角の報告に身を固くし、姿勢を整えた。肋角の赤い目が各々の目とかち合う。

「A、もとい亡者の面倒をお前達に任せる。」

こうして、彼らの奮闘する日々が始まった。

亡者について→



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匿名(プロフ) - 博麗の巫女さんさん» コメントありがとうございます、更新の方ぼちぼちとしていきますのでぜひよろしくお願い申し上げます! (2016年5月15日 22時) (レス) id: cce638f287 (このIDを非表示/違反報告)
博麗の巫女さん - 面白そうな感じですね!楽しみに待ってます(^ω^) (2016年5月15日 2時) (レス) id: 964f89e669 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:匿名 | 作成日時:2016年5月14日 14時

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