醜い天使【HP】 (ページ10)

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すでに昼食が用意されていたのでそれをさっさとたいらげ、双子は自室へと我先に駆けていった。

「なあ相棒」

真面目な顔で口火を切ったのはフレッドだった。

「俺、Aめちゃめちゃどタイプなんだけど。」

「奇遇だな。俺もだ。」

ジョージの言葉にマジかー、とフレッドが頭を抱えた。

「いいじゃん、俺ら二人で一人みたいなもんだろ？二人同時に好きになったってさほど変わりはないさ。」
とジョージは笑う。

「それもそうか。」つられたようにフレッドも笑った。

「それにしても、Aは化粧してるからマシに見えるだけだ〜とか言ってたけどさ、___ありゃ涙で全部落ちてたな。」

「俺も同じこと思ってた。最初店の中で見かけた時は人形みたいな子だなぁって思ったさ、だけど、本人には申し訳ないけど、化粧が落ちたあとのAときたらもう…」

「「天使だった_____。」」

その後の二人によるAトークは止まる事を知らないようだった。

それは家族のいる食卓でも、

シャワーを浴びていても、

トイレに入っていても繰り広げられるものだから壮絶だったし、家族の耳に入らないわけがなかった。

それは二人がベッドに入った後も続いた。
睡魔に負け、ようやく眠った頃には、もう日が登り始めていた。

内容はというと、

“どうしてAは自分の顔に自信が持てないんだろう”とか、
“彼女の着ていた服はとても可愛かった”とか、
“笑顔がかわいい”とか、
“突然のボクっ娘には驚いたけど心開いてもらえたみたいで嬉しい、かわいい”(その他諸々)
とかだったが、最後にはどちらの方が気に入られたか、と謎の言い争いをしていて、トイレに起きたロンは身震いをするほど気味が悪かった。

何にせよ双子はすっかりAを気に入ったようだった。