醜い天使【HP】 (ページ8)

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Aはジョージが顔を赤くするのをみて、やっぱり荷物重かったのかな、顔赤くなってる…なんて考えていた。

「おお、フレッド、ジョージ！こっちだ！」

遠くから二人と同じ赤毛に眼鏡の男性が双子の名前を呼んでいた。
きっとあの人が二人の父親なのだろう。

父親の元へ向かう二人を見ながら、僕も行って良いのだろうか、と迷っていたら、フレッドが自分の方を向いて手招きしたので嬉しくなってついていった。

「ちゃんと全部買えたかい？おや、そちらのお嬢さんは？」

双子に連れられて来たAを見て、そう聞いた。

『はじめまして。A・ラミレスと申します。
先程二人に助けて頂いて、買い物まで付き合ってもらってしまいました。本当にありがとうございます。
同学年と聞いたので、これからも仲良くさせていただけたら幸いです。』

自己紹介とお礼を述べ、軽く、されど美しく腰を折る。

母親に散々教え込まれたお陰で、そのお辞儀はとても見事なものであった。

一方双子はというと、さっきまでのキャラの切り替えの速さに、目を丸くして驚くばかりであった。

「とても礼儀正しいんだね。フレッドとジョージにも見習って欲しいよ。
私はアーサー・ウィーズリーだ。見てわかったかもしれないが、二人の父親だよ。
ところで君、ラミレスと言ったね。もしかしてあのラミレス家かい？」

. .
あのラミレス家、という言葉の意味がわからず、双子は頭に？のマークを浮かべている。

『どのラミレス家かは分かりませんが、極端な純血主義者ばかりのラミレス家のことを仰っているのなら、そうですわ。』

とAは丁寧に答える。その言葉からは自分の家系が嫌いだという思いが滲み出ていた。

「いいのかい？私達はウィーズリー家の者だよ。
君のような家系の人からは、その…アー、“血を裏切る者”と言われているんだよ。」

アーサーはAがその事を知らないのではないか、というように言った。

『ええ、存じておりますわ。でも私、両親達みたいに純血主義者な訳じゃないし、むしろマグルが大好きなんですの…_____あ！そうだわ！ウィーズリーさん、貴方もマグルが好きだと伺いましたの。
ぜひ今度ゆっくりお話ししましょう！』

Aの言葉に驚いたようだったが、アーサーは嬉しそうに「ええ、ぜひ。」と笑うと時計を見て、

「もうお昼時だけど、ここで何か食べていかないかい？」と聞いたが、いえ、大丈夫です。また別の機会に。と断った。