醜い天使【HP】 (ページ7)

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「いいに決まってるじゃないか！」「よろしくな、A！」

そして二人は手を差し出した。

『それなら僕も遠慮なく気を抜かせてもらおうかな。』

笑って両手で二人と握手した。

「いやぁ〜買ったなぁ…。本当にこれで全部か？」

フレッドが自身の抱える荷物を睨みながら言った。

『まぁ、大丈夫でしょ。入学式までまだ時間あるし。それより、重いから早く帰りたい…。』

純血の名家、そこの一人娘というのもあってなかなか運動をさせてもらえなかったAは、今にも倒れるのではないかというくらいにふらふらとおぼつかない足取りで顔を真っ赤にしながらなんとか荷物をもっていた。

そんな様子を見兼ねたのか、ジョージはAの持っている袋を2、3袋自分の荷物に追加した。

『あ、やめろよ！大丈夫だって！それくらい自分で持てる！』

慌てて自分の荷物を取り返そうとしたが、彼の身長は思っていたよりもずっと高かった。

「とか言いつつ、さっきまで顔真っ赤にして転びそうになりながら荷物を持ってたのは一体誰かな？」

ニヤッと笑うその顔にムカついて、ジョージのつま先を厚底ローファーの踵で踏みつける。

「イデデ…おい、やめろって！悪かったから！…にしても、気を抜いていいなんて言うんじゃなかった。A！お前キャラ変わりすぎだ！」

『そう？』

「ああそうだ、少なくともさっきまでのお嬢さまキャラからは想像もできないくらいにな！」

「っふ、はは！」

Aとジョージのやりとりを見てフレッドが笑うと、釣られるように2人も笑う。

「A、お前ほんとキャラ変わりすぎだ！うふふ、とかの上品な笑い方はどこ行った！？今お前、めちゃくちゃ豪快な引き笑いだったぞ！」フレッドが言う。

Aは、君らが良いって言ったんじゃん、と言い返しながら友達っていいな、あったかいな、と密かにほっこりしていたのであった。

ひと通り買い物を終えた三人は、漏れ鍋まで戻って来ていた。

『ジョージ、本当にもう良いよ。自分で持つ。』

そういうと、ジョージはやっとAに荷物を返した。

『ありがと。』

Aはにこっと笑った。ジョージは一瞬フリーズして、直後に「だったらあんなにキレなくてもよかったじゃんか、」とかなんとかブツクサ言いながら顔を赤くしていた。

Aはジョージが顔を赤くするのをみて、やっぱり荷物重かったのかな、顔赤くなってる…なんて考えていた。