醜い天使【HP】 (ページ30)

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そんな事を話していたら、いつの間にかグリフィンドールの寮に着いていたようだ。

監督生…ビルは思い出したように振り返り、主に新入生に対して声をかけ始めた。どうやら寮に入るためには合言葉が必要らしい。時々合言葉が変わるから間違えないようにね、と明るく言ってウィンクしたビルに、数人の女子生徒が悲鳴をあげる。

流石双子の兄とだけあって、それが様になっている。
2人もなかなかの美形だもんなぁ、と、Aは一人頷く。

そしてビルは、よく聞いて、忘れないようにね、と前置きしてから「ポーク・エッグ」と、そう言った。

なんだよそれ、とジョージは爆笑し始める。

「何だよ豚の卵って。豚って胎生じゃなかったか？」
そうフレッドが珍しく頭の良さそうな発言をしたから、ジョージはより一層息を吐く間も無く笑った。

「お前から胎生なんて言葉が出る日が来るなんて思ってもみなかったぜ。別に合言葉なんだから大した意味はないだろ。それに、豚の卵じゃなくて料理の名前かも知れないだろ？」

ジョージがフレッドに返すと、Aは笑った。

「ははっ、2人って本当に面白い！一緒にいるだけでほっとできる気がするよ。」

フレッドはそんなAを見て目を細めて、「俺もAといるとほっとする〜」と言ったが、ジョージはそうではなかった。

食事の席でのAを思い出していたのだ。

_____あの時も俺たちといたはずなのに、ほっとするならあんな顔する訳ないだろ。何で俺たちに、俺に、何も言ってくれないんだよ…。

ジョージがそんな事を考えている間に寮の扉は開き、寮生達はどんどん中へ入っていった。

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